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IZU TRAIL Journey 伊豆トレイルジャーニー 2019 プレビュー

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今年のIZU TRAIL Journeyは12月8日日曜日の午前6時に松崎新港をスタートします。伊豆半島の自然、歴史と文化に触れる新しい形の旅、というコンセプトで開催される大会は今回で7回目。

今年は10月の台風でコースとなるエリアが大きな影響を受けたため、コースの前半部の30km強は大幅に変更されます。例年は宝蔵院(8.4km)から林道で西へ進み、黄金橋、二本杉峠を経て仁科峠へと向かいますが、今年は宝蔵院の手前から北へと向かい、白川(13.5km)、万野の森入口(22.9km)、滝見林道出口(35.4km)を経て仁科峠(40.3km)へ。距離、累積獲得高度、コースに占めるトレイルの比率は昨年と比べるとやや控えめです(昨年:71.7km 4,408mD+ 81.1%、今年:68.3km 3,240mD+ 58%)。

Izu Trail Journey course map 2019

今年は「持続可能性(サスティナビリティ)」のために、「プラスティックレス」、「ペーパーレス」、「キャッシュレス」、「ボーダーレス」の4つの取り組みを掲げます。

今回のIZU TRAIL Journeyにも国内外の有力選手が集まります。

まず女子では大石由美子 Yumiko Oishi。昨年、2013年、2016年に続く3度目の優勝を手にしており、今年も女子のレースの優勝候補。今年は上州武尊山スカイビュートレイル140kで優勝しています。

大石由美子

昨年のこの大会で2位の浅原かおり Kaori Asahara、3位の田中真紀 Maki Tanaka、4位の星野緑 Midori Hoshinoが揃って今年も参戦。浅原は春にUTMFで昨年に続く3位、夏のOSJおんたけ100kmで優勝。

さらに今シーズンはAso Round Trail、OSJ山中温泉で優勝の上宮逸子 Itsuko Uemiyaも参戦。海外からは今シーズンの「アジア・トレイルマスター」で活躍するベロニカ・バドビコワ Vadovicova Veronika(スロバキア、シンガポール在住)に注目です。

男子では昨年優勝の伊藤康 Ko Itoをはじめ、松原克博 Katsuhiro Matsubara(2位)、谷允弥 Nobuya Tani(4位)、辻友寛 Tomohiro Tsuji(5位)、町田知宏 Tomohiro Machida(6位)が今年もITJにエントリー。松原は今年5月のひろしま恐羅漢65kで2位、OSJおんたけ100kmで5位。谷はトル・デ・ジアンを完走した後、甲州アルプス67kで5位。辻は信越五岳100マイルで2位。町田はスパトレイル56k優勝のほか、甲州アルプス67kで4位。

加えて今年のトレイル世界選手権に日本代表選手として出場、7月のOSJおんたけ100kmで優勝の横内佑太朗 Yutaro Yokouchiや、今年のウルトラトレイル・マウントフジで7位、アメリカのWaldo 100kをタイ優勝の鬼塚智徳 Tomonori Onitsuka、2015年のハセツネCUPチャンピオンの奥宮俊祐 Shunsuke Okunomiyaの活躍に期待。

横内佑太朗

さらに「アジア・トレイルマスター」の年間ランキングで現在2位の喜多村久 Hisashi Kitamura、4位の水越友洋 Tomohiro Mizukoshiが年間ランキング上位をかけてITJのスタートラインに立ちます。

当サイトは昨年に続いて中の人、岩佐が大会公式のメディアチームに加わり、大会のFacebookページからライブ配信で大会の模様をお伝えする予定です。

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IZU TRAIL Journey 伊豆トレイルジャーニー 2019 リザルト

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天候に恵まれた1日となりましたが、レース展開は例年以上にタフなものとなりました。

7回目の開催となったIZU TRAIL Journeyは12月8日日曜日の午前6時に松崎新港をスタート。10月の台風の影響によりコースの前半部、仁科峠までは例年からは大幅に変更して開催されました。レースを制して今年のITJのチャンピオンとなったのは男子が関西で活躍する西村広和 Hirokazu Nishimura、女子はAsia Trail Masterのレースで勝利を重ねているベロニカ・バドビチョワ Veronica Vadovicova(スロバキア)でした。天候に恵まれたこと、コース変更によりコースの距離が例年よりやや短い68.3km 3,240mD+となったことから、制限時間である14時間以内の完走率は例年よりも高くなった模様です。

(写真・今年のITJのコース上より。Photo by Kozo Okushima)

大会前日の土曜日は曇り空で冷え込んだ伊豆・松崎町。レースが始まる朝の松崎町の最低気温は2.9℃、仁科峠では1℃と冷え込みましたが、いつもは強烈な風は今日は穏やか。空は快晴で日中の日向では肌寒さを忘れるほどでした。

コース序盤は舗装林道を登った後、例年エイドが設けられる宝蔵院の手前で北へ向かう林道を下って白川のエイド(13.5km)へ。ここでは奥宮俊祐 Shunsuke Okunomiyaが単独リード。横内佑太朗 Yutaro Yokouchiと山口純平 Jumpei Yamaguchiが1分差で続きそのすぐ背後に尾田賢典 Yoshinori Oda。この集団から1分半遅れて西村広和 Hirokazu Nishimuraが続いていました。コースはその後、県道59号線の舗装路から滝見林道へと標高差で600mほどを登り続けてから、林道の未舗装区間へと入りますが、この間に奥宮は続く選手たちに遅れを取ることに。白川のエイドから約27kmの間をおいた次のエイドとなる仁科峠(40.2km)には横内がトップ、わずかな差で山口が続いて到着して補給します。しかし横内から1分差の3番手でやってきた西村は補給をせずにエイドを通過。その姿をみた横内が慌ててエイドを後にします。

仁科峠からは伊豆山稜線歩道のトレイルを進みますが、西村はリードをキープ。達磨山(54km)を越えて下りに入ると、横内に比べてトレイルを走る経験で上回る西村はどんどんリードを拡大。修善寺総合会館のフィニッシュゲートを5時間53分というタイムでくぐって西村広和 Hirokazu Nishimuraが優勝を果たしました。コースが変更されたとはいえ、大会記録の6時間35分32秒(2013年、近藤敬仁)を想定以上に大きく上回る結果となりました。関西のレースでは常に上位に入るトップ選手ですが、最近は信越五岳110kで連覇、今年のスパトレイル72kで優勝と関東のレースでも活躍する機会が増えました。いつもは最初からレースをリードする展開が多い西村ですが、この日のITJでは落ち着いて後半にリードを奪うスマートな展開。「関西のランニング仲間の応援の声に応えたかった」という願いどおりの鮮やかな勝利となりました。2位には6分半の差で横内佑太朗 Yutaro Yokouchi。学生時代に箱根駅伝を経験し、今年はOSJ奄美50KやOSJおんたけ100kで優勝し、トレイル世界選手権で日本代表となっています。とはいえトレイルランニングはまだ始めたばかり。今後経験を積むことでトレイルランナーとしての活躍の機会も増えてきそうです。3位には6時間8分で鬼塚智徳 Tomonori Onitsuka。7位となった今年のUTMFと同じく落ち着いたレース展開でトップ3に入りました。昨年6位の町田知宏 Tomohiro Machidaが4位に続きました。

前半を奥宮、横内とともにリードした山口純平 Jumpei Yamaguchiは5位でフィニッシュ。大学で陸上選手として活躍したのち今年社会人となった22歳は最近トレイルを走り始めたばかり。今回と同じくロードとトレイルを組み合わせた今年8月の筑波連山75kでは2位に40分近い差をつけて圧勝。今回はトレイルの下りでは苦戦気味でしたが、トレイルランニングやウルトラマラソンで今後注目の存在です。

女子のレースはベロニカ・バドビチョワ Veronica Vadovicovaがスタートからフィニッシュまでリード。男女総合26位となる7時間5分で優勝。スロバキア出身の29歳でトレイルランニングに出会ったのは上海在住中に2018年。今シーズンはAsia Trail MasterのレースとなっているCordillera Mountain Ultra 50k(フィリピン)、Ultimate Tsaigu 80km(中国)、Vietnam Jungle Marathon 70km(ベトナム)などで優勝。最近母国に戻ったばかり。「アジアのワイルドなトレイルばかり走っていたので、今回の走れるコースでは苦戦しました。でも台風の影響にもかかわらず大会を開催してくださったことに感謝しています。」と話していました。女子2位にはこの大会で3度優勝している大石由美子 Yumiko Oishi。バドビチョワから14分差の7時間19分でした。この大会で2016年、17年、18年と2位になっている浅原かおり Kaori Asaharaが3位となりました。4位に渡邉ゆかり Yukari Watanabe、5位に上宮逸子 Itsuko Uemiyaが続きました。

IZU TRAIL Journey 2019 リザルト

リザルト速報はこちらから。

(女子)

  1. ベロニカ・バドビチョワ Veronica Vadovicova(スロバキア、T8 and Salomon/Suunto) 7:05:53
  2. 大石由美子 Yumiko Oishi(La Sportiva) 7:19:46
  3. 浅原かおり Kaori Asahara 7:32:17
  4. 渡邉ゆかり Yukari Watanabe 7:57:22
  5. 上宮逸子 Itsuko Uemiya 8:04:47
  6. 村井絢子 Ayako Murai 8:30:43
  7. 浅野菜穂子 Naoko Asano 9:03:30
  8. 上野朋子 Tomoko Ueno 9:04:09
  9. 浦谷美帆 Miho Uraya(ラビットフット) 9:10:05
  10. 飯嶋かおり Kaori Iijima 9:13:00

(男子)

  1. 西村広和 Hirokazu Nishimura(鴨川走友会)5:53:30
  2. 横内佑太朗 Yutaro Yokouchi(TeamASICS)6:00:08
  3. 鬼塚智徳 Tomonori Onitsuka(THE NORTH FACE)6:08:55
  4. 町田知宏 Tomohiro Machida 6:15:21
  5. 山口純平 Jumpei Yamaguchi(ELDORESO)6:18:33
  6. 奥宮俊祐 Shunsuke Okunomiya(adidas TERREX)6:20:09
  7. リチャード・コフラン Richard Coughlan (ニュージーランド・日本在住、Kiwi English Chino)6:20:30
  8. 藤岡学 Manabu Fujioka(WILD THINGS)6:21:40
  9. 木村隼人 Hayato Kimura(INJINJI)6:24:18
  10. 喜多村久 Hisashi Kitamura(日本・マレーシア在住、Uglow)6:28:56

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DC Weekly 2019年12月11日 – IZU TRAIL Journey, Panoramic, みたけ山、武田の杜、東山三十六峰

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先週末開催のIZU TRAIL Journeyでは当サイトの中の人、岩佐がライブ配信でレースをレポートしました。今週末は日本国内とアジアで多数の大会が行われます。週末に行われたウェスタンステイツの抽選結果も紹介します。

国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーも2020年の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。

(写真・IZU TRAIL Journeyのスタート)

トレイルランニング関連ニュース

  • ウェスタンステイツの抽選:アメリカの100マイルトレイルランニングレース、ウェスタンステイツ Western States Endurance Runの来年6月27-28日に行われる大会への出場者を決める抽選会が12月7日に行われました。今年の抽選には昨年より14%多い、6664人が応募。大会出場者の定員は369人ですが前年トップ10の優先枠などを除いた264人が出場権を獲得、50人が順番つきのウェイトリストに載ることとなりました。日本からも渡邊千春 Chiharu Watanabe、高橋智彦 Tomohiko Takahashi、花岡尚賢 Naoyoshi Hanaoka、佐々木拓史 Takuji Sasaki、針谷香苗 Kanae Harigayaの5人の皆さんが出場権を獲得、井原知一 Tomokazu Iharaさんがウェイトリストで順位5番となりました。抽選結果はこちら。なお、例年同日に行われるHardrock 100の抽選ですが、今年2019年大会が残雪のため開催されなかったことから、今年の出場権者とウェイトリストがそのまま来年2020年大会に持ち越しとなるため抽選は行われませんでした。

先週末のイベント

11月29日金曜日 – 12月7日土曜日

Cambodia – The Ancient Khmer Path (220km 6 stages)

カンボジアで開催されるステージレースで、プノンペン近郊からアンコールまでの220kmを6つのステージで完走するというイベント。リザルトはこちらに掲載されています。

12月6日金曜日 – 7日土曜日

The Panoramic Trail (100m, 100k, 50k)

Asia_Trail_Masterタイ北部のメーホンソーン県で開催された100マイルのトレイルランニングレースはAsia Trail Masterのレースでした。前週にフィリピンのThe Punisher 80kで2位となったばかりのジョン・エリス John Ellis(オーストラリア、香港在住)が100kmすぎで先頭に立って20時間20分で優勝。この勝利で今年のATM年間シリーズチャンピオンは翌週のマレーシアでの最終戦を待たずにジョン・エリスに決まりました。女子はマレーシアのクリスティーン・ロー Christine Lohが優勝しています。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

12月8日日曜日

Izu Trail Journey (68.3k)

Asia_Trail_Master静岡県の伊豆半島を松崎町をスタートして修善寺までのコースで開催。台風の影響でコース前半が大きく変更されて開催されました。女子はAsia Trail Masterのレースで今シーズン活躍する29歳のベロニカ・バドビチョワ Veronica Vadovicova(スロバキア)が終始リードして7:05:53で優勝。ITJで3度優勝の大石由美子 Yumiko Oishiが約14分差の7:19:46。昨年、一昨年と2位の浅原かおり Kaori Asaharaが7:32:17で3位に続きました。男子は関西で活躍の西村広和 Hirokazu Nishimuraが後半にリードを奪い、5:53:30で優勝。中盤の林道セクションでレースをリードした横内佑太朗 Yutaro Yokouchiは終盤で西村との差が開いて6分半差となる6:00:08で2位。鬼塚智徳 Tomonori Onitsukaが6:08:55で3位でした。レースについては当サイトのリザルト紹介記事で詳しく紹介しています。

みたけ山トレイルラン(15k)

東京都青梅市。東京のトレイルランナーにはおなじみの御岳山の15kmのコースで開催されました。男子は佐谷尚紀が1時間9分で優勝、16秒差で服部一輝が2位に。沖本聖射がその42秒後に続いて3位でした。女子は石川奈都子が1時間27分で優勝。北島良子(1時間29分)、湊瑛穂(1時間32分)がトップ3となりました。リザルトはこちら

武田の杜トレイルランニングレース(30k)

山梨県甲府市。武田神社をスタートする30kmのコースでした。小田切将真が2時間15分で男子優勝、牛田美樹(2時間17分)、今林海仁(2時間26分)が続きました。女子では吉住友里が2時間53分で優勝し、2位に3時間3分で福島舞、3位に荻原真紀で3時間14分でした。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

東山三十六峰トレイルラン(33k)

京都市。宝ヶ池をスタートして大文字山などを経て伏見稲荷大社にフィニッシュするコース。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

今週末開催のイベント

12月14日土曜日 – 15日日曜日

TNF Malaysia Mountain Trail Festival (84k, 55k, 25k, 10k)

Asia_Trail_Masterマレーシア・ペラ州タイピン市。2回目の開催となる今年は4つのレースが開催され、そのうち84km 4300mD+のレースが今年のAsia Trail Masterの最終戦となります。最終戦にふさわしく今シーズンのシリーズ戦で活躍した選手が集結。男子は前週に年間チャンピオンに決まったジョン・エリスのほか、ITJに参戦していた喜多村久水越友洋ベロニカ・バドビチョワの各選手もエントリーしています。

Soochow International Ultramarathon

台湾の東呉大学(Soochow University)で毎年開催されるトラックの24時間走。スタートは14日土曜日午前9時(日本時間同日午前10時)。日本からは石川佳彦 Yoshihiki Ishikawa、高橋伸幸 Nobuyuki Takahashi、小谷修平 Shuhei Odani、松本ゆり Yuri Matsumoto、青谷瑞紀 Mizuki Aotaniの皆さんが参加します。

The North Face 100 Hong Kong (100k/50k)

香港の大美督 Tai Mei Tukをスタート、フィニッシュする100kmと50kmのレースです。

12月14日土曜日

Tokyo Vertical Race (3.5km)

東京都檜原村。ハセツネCUPでもお馴染みの大岳山を南側の檜原村から白倉尾根ルートで登る3.5km 950mD+のレースとなります。

養老山脈トレイルランニングレース(41km, 12km)

岐阜県養老町、海津市、三重県桑名市、いなべ市。41kmのコースは養老山脈を縦断するPoint to Pointのコースとなっています。

藺牟田池外輪山トレイルランニング(18k/12k/6k)

鹿児島県薩摩川内市。火山湖である藺牟田(いむた)池の周りを周回する6kmのコースで開催されます。

国頭トレイルランニング大会(19k, 12k, 8.6k)

沖縄県国頭村。沖縄本島の北端に位置する国頭村で開催される大会は7回目の開催。。19km男子は成田龍人が2時間5分、19km女子は前田晴香が2時間27分でそれぞれ優勝しています。リザルトは大会ウェブサイトから。

Hellgate 100k

アメリカ・バージニア州で開催の100kmのトレイルランニングレース。

12月15日日曜日

お宝登山・長瀞アルプストレイルレース(16k, 3k)

埼玉県長瀞町。長瀞アルプス及び宝登山をコースとする約16kmで開催されます。

復活!房総鋸山トレイルランレース(15km, 28km)

千葉県富津市、鋸南町。房総半島に大きな被害をもたらした9月の台風15号の影響で、この日に予定されていた房総半島を東から西へと横断する68kmの「房総半島横断」はコース復旧の目処が立たず開催を見送ることが発表されていました。この大会に代わる形で鋸山エリアで開催されるこの大会が開催されます。

伊勢の森トレイルランニングレース(20k)

三重県伊勢市。伊勢志摩の代表的な霊山・朝熊山(あさまやま)をコースに含む大会です。

近江湖南アルプスTRAILRUNRACE in桐生

滋賀県大津市。桐生若人の広場を会場に24km 1300mD+のレースが行われます。

前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyへ、皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。下のコメント欄もぜひご活用ください。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。

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2020年ウルトラトレイル・ワールドツアー Ultra-Trail World Tourのシリーズ戦が発表に。#UTWT

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UTWT-Ultra Trail World Tour logo昨日12月12日に今シーズンのウルトラトレイル・ワールドツアー Ultra-Trail®︎ World Tour(UTWT)の表彰式が開催され、あわせて来年2020年の日程が発表されました。2014年に始まったウルトラトレイル・ワールドツアーUltra-Trail®︎ World Tourは来年で7シーズン目。今年のUTWT Discovery Raceや「by UTMB®︎」のレースなどから新たに8つのレースが加わって全部で28のレースから構成されます。

新たに加わったのは今年のUTWT Discovery Raceからホエーラーズグレートルート・ウルトラトレイル Whalers’ Great Route Ultra-Trail®︎(ポルトガル)、トランス・チェジュ Trans Jeju(韓国)、ウルトラトレイル・ニンハイ Ultra-Trail®︎ Ninghai(中国)の三つ。「by UTMB®︎」ではガオリゴン Gaoligong by UTMB®︎(中国)、バル・ダラン Val d’Aran by UTMB®︎(スペイン)、オマーン Oman by UTMB®︎(オマーン)の三つ。加えてVVX ヴォルビック・ボルカニックエクスペリエンス Volvic-Volcanic Experience(フランス)、ゴールデンリング・ウルトラトレイル Golden Ring Ultra-Trail®︎(ロシア)の二つも新たにラインナップ。東アジアでは既存のHong Kong 100、UTMFとあわせて春から秋まで5大会に拡充されることになります。

各レースに付けられるレーベルは従来の「Serie Bonus」、「Serie」、「Pro」、「Challenger」が、年間ランキングの対象となる上位入賞者に与えられるポイント数を示す数字で表現されるようになりました。最上位のUTWT2000にはUTMB®︎ Mont-Blancのメインイベント・UTMB®︎が位置付けられます。続くUTWT1500には今年の「Serie Bonus」だったTransgrancanariaの他、今年の「Serie」だったHong Kong 100、MIUT、Lavaredo、Western Stats、CCC®︎。さらに今年の「Pro」のUltra-Trail®︎ Australiaが「昇格」しています。UTWT1000は今年の「Pro」からTarawera、Istria、Penyagolosa、UTMF、Eiger、TDS®︎®︎、Cappadocia、Cape Town。今年の「Challenger」だったmozart 100は「昇格」、加えて新メンバーのGaoligongという顔ぶれ。UTWT500は10レースで、今年の「Challenger」だったHarricana、Javelina、今年の「Pro」から「降格」のPatagonia Run。そしてGaoligongを除く新規加盟の7大会が続きます。

2020年のウルトラトレイル・ワールドツアー Ultra-Trail®︎ World Tourのスケジュール

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DC Weekly 2019年12月17日 – Soochow International Ultramarathon、Malaysia Mountain Festival、Tokyo Vertical Race、養老山脈、伊勢の森、近江湖南、Tokyo Vertical

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台湾の東呉大学(Soochow University)で開催の24時間走で石川佳彦 Yoshihiko Ishikawaが大記録で優勝。マレーシアでは今年のAsia Trail Master最終戦が行われました。

国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーも2020年の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。

(写真・Malaysia Mountain Festivalの84kで優勝、ATM年間チャンピオンとなったベロニカ・バドビチョワ Veronika Vadovicova。Photo courtesy of Asia Trail Master)

トレイルランニング関連ニュース

  • 「The 4100Dマウンテントレイル in 野沢温泉」遭難事故の最終報告書を発表:今年7月14日に行われた「The 4100Dマウンテントレイル in 野沢温泉」で参加選手が行方不明となる遭難事故があり、今に至るまで安否が確認されていません。大会ではこの事故についての最終報告書を12月14日に公開しました。捜索本部による捜索活動を打ち切った後も10月末まで捜索活動は続けられていたことや、今後の大会運営における安全対策についてまとめられています。

先週末のイベント

12月14日土曜日 – 15日日曜日

TNF Malaysia Mountain Trail Festival (84k, 55k, 25k, 10k)

Asia_Trail_Master

マレーシア・ペラ州タイピン市。雨の多いタイピンですが今年の大会は雨に見舞われずに開催され、Asia Trail Masterの最終戦となった84kmには今年のシリーズ戦で活躍した選手が集まりました。女子のレースでは前週にIZU TRAIL Journeyで優勝したベロニカ・バドビチョワ Veronika Vadovicova(スロバキア)が快調な走りを見せて11時間34分で優勝。男女総合3位、続く女子2位とは75分差という圧倒的な勝利でした。この最終戦の結果を受けて年間ランキングで首位となり、今年の女子チャンピオンの座を勝ち取りました。バドビチョワは上海在住の昨シーズンからトレイルランニングを始めた29歳で現在は母国在住。今シーズンはATMで大活躍の一年でした。女子2位はシー・ウェンフェイ Wen Fei Xie(中国)で12時間49分、3位にはジャカルタ在住のなかじま・あすか Asuka Nakajima(日本)が13時間50分で続きました。

男子は昨年のATMチャンピオン、アレッサンドロ・シェルパ Alessandro Sherpa(イタリア)が序盤をリード。クリスティアン・ジョルゲンソン Kristian Joergenson(デンマーク)と喜多村久 Hisashi Kitamura(日本、マレーシア在住)が追いました。しかし、中盤に先頭に立ったジョルゲンソンがこの最終戦で10時間22分で最初にテープを切って優勝。シェルパは50分差の11時間12分で2位に。バドビチョワがフィニッシュした後の男子3位は喜多村で11時間48分。シーズン終盤に毎週末のレースとなり、先週末もITJで10位となったばかりでしたが最終戦でトップ3入りを果たしました。喜多村に続いて26分差で前週に今年のATM年間チャンピオンと確定していたジョン・エリス John Ellis(オーストラリア)が4位でフィニッシュしています。

リザルトはこちら

Soochow International Ultramarathon

台湾の東呉大学(Soochow University)で毎年開催されるトラックの24時間走。日本の石川佳彦 Yoshihiki Ishikawaが279.427kmの自己ベストを記録して優勝。この記録は今年10月にフランス・アルビで行われた24時間走世界選手権で優勝したアレクサンドル・ソロキン Aleksandr Sorokin(リトアニア)の278.972kmを上回って今年の24時間走ランキング第1位。歴代ランキングではイアニス・クーロス Yiannis Kouros(ギリシャ)の303.506km(1997年)、原良和 Yoshikazu Haraの285.366km(2014年、Soochow)、デニス・サリビン Denis Zhalybin(ロシア)の282.282km(2006年)に続く歴代4位の大記録となりました。石川は今年7月にアメリカで行われたBadwater 135を大会新記録で優勝していて、実りの多い今シーズンとなりました。昨年のこの大会で優勝し、今年の世界選手権で5位のイバン・ペネルバ Ivan Penalba Lopez(スペイン)が自己ベストとなる274.332kmで2位。高橋伸幸 Nobuyuki Takahashiが253.600kmで3位になりました。

女子はウー・イファ Wu Yi-Hua 吴益华(中国香港)が215.262kmで優勝、ラドカ・チュラノワ Radka Churanova(チェコ)が206.461kmで2位、リュウ・チェンユー Chien-Yu Liu 劉千聿(チャイニーズタイペイ)が201.021kmで3位に。日本の青谷瑞紀 Mizuki Aotaniは6位(188.400km)、松本ゆり Yuri Matsumotoは8位(164.743km)でした。

リザルトはこちら

The North Face 100 Hong Kong (100k/50k)

香港の大美督 Tai Mei Tukをスタート、フィニッシュする大会。100kmは男女とも地元香港勢が活躍するレースとなりました。男子はウォン・ホーチュン Ho Chung Wong 黃浩聰(中国香港)が12:49:57で優勝、ロー・カイフォン Kai Pong Law 羅啟邦(中国香港)が13:12:18で2位、フィリピンのジョン・レイ・オニファ John Ray Onifaが13:23:20で3位に。女子はチェン・マンイー Man Yee Cheung(中国香港)が15:45:34で優勝、ジル・フォーラー Gill Fowler(オーストラリア)が2位(16:09:19)、チョウ・ワイイン Wai Yin Chiu(中国香港)が16:40:32で3位でした。リザルトはこちら

12月14日土曜日

Tokyo Vertical Race (3.5km)

東京都檜原村。大岳山を南側の檜原村から白倉尾根ルートで登る3.5km 950mD+の駆け登りレースでした。大会Facebookページによれば、男子は1位が小林海仁、2位が佐藤誠也、3位が田中晶。女子は1位が又井ゆうこ、2位が須藤吉仕子、3位がルブラス恵美里でした。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

養老山脈トレイルランニングレース(41km, 12km)

岐阜県養老町、海津市、三重県桑名市、いなべ市。41km女子は枝元香菜子 Kanako Edamotoが4時間26分で優勝。南條愛 Ai Nanjoが4時間32分で2位、薄井智尋 Chihiro Usuiが4時間37分で3位に。男子優勝は加藤晟人 Akihito Katoが3時間32分で勝ち取りました。5分半の差で古賀聖 Sei Kogaが3時間37分で2位、3位に反中祐介 Yusuke Tannakaが3時間44分で続きました。リザルトはこちら

藺牟田池外輪山トレイルランニング(18k/12k/6k)

鹿児島県薩摩川内市。火山湖である藺牟田(いむた)池の周りを周回する6kmのコースで開催されます。ロング18kmは熊本健志(2時間37分)、下川恵(3時間28分)、ミドル12kmは寳田貴之(2時間1分)、白仁田理恵(2時間8分)、ショート6kmは野村敬一郎(48分48秒)、林田なつみ(1時間2分37秒)がそれぞれ男女のレースで優勝しています。リザルトはこちら

(中止)国頭トレイルランニング大会(19k, 12k, 8.6k)

沖縄県国頭村。沖縄本島の北端に位置する国頭村で開催されましたが、コース誘導の手違いからレースは中止となりました。大会Facebookページによると、レース開始後に19km、12kmのコースの4.5km地点で直進すべきところに、常設のロープが張られて立ち入り禁止の看板が置かれたままとなっていたことが判明。これらを撤去して当初のコースへの誘導を始めたものの、すでにロストした選手が広範囲に進んでいることから安全確保を優先して大会は中止に。当日夕方までに全選手の安否が確認されました。

Hellgate 100k

アメリカ・バージニア州で開催の100kmのトレイルランニングレース。リザルトはこちら

12月15日日曜日

お宝登山・長瀞アルプストレイルレース(16k, 3k)

埼玉県長瀞町。長瀞アルプス及び宝登山をコースとする約16km。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

復活!房総鋸山トレイルランレース(15km, 28km)

千葉県富津市、鋸南町。9月の台風15号の影響で中止の「房総半島横断」に代わる形で開催。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

伊勢の森トレイルランニングレース(20k)

三重県伊勢市。伊勢志摩の代表的な霊山・朝熊山(あさまやま)をコースとする大会で女子は吉住友里 Yuri Yoshizumiが1時間57分で優勝、長坂恵子 Keiko Nagasakaが2時間1分、佐野亜弓 Ayumi Sanoが2時間12分でトップ3に。男子は高校生の近江竜之介 Ryunosuke Ohmiが1時間36分で後続に約4分の差をつけて優勝。和田陽太 Yota Wadaが1時間40分で2位、石坂健太 Kenta Ishizakaが1時間43分で3位でした。リザルトはこちら

近江湖南アルプスTRAILRUNRACE in桐生

滋賀県大津市。桐生若人の広場を会場に行われた24kmのレースに関西、中部から有力選手を含めたくさんの選手が集まりました。そうした中でレースを制したのは近藤敬仁で2:07:50でした。2位には前週にIZU TRAIL Journeyで優勝した西村広和が40秒差で続きました(2:08:29)。22歳の谷口公基が2:10:17で3位に。女子は楠田涼葉が2位に9分差をつけて2:38:31で優勝。斎藤綾乃が2:47:43で2位、3位は河西智映子で2:52:54でした。リザルトはこちら

今週末開催のイベント

12月21日土曜日

いちごトレイルラン(20k)

千葉県・富津市。マザー牧場の5kmの周回コースで開催されます。

12月22日日曜日

(中止)TOKYO八峰マウンテントレイル(30k)

東京・八王子市。南高尾、小仏峠、陣馬山など高尾エリアで開催される大会ですが、10月の台風19号がもたらした林道の被害のため今年の大会は中止とすることが発表されています。

トヨタの森トレイルランレース(21k, 11k, 6k)

愛知県豊田市のフォレスタヒルズを会場に開催。トヨタの森の周回コースでソロのレースのほか計21kmのリレーも行われます。

前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyへ、皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。下のコメント欄もぜひご活用ください。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。

投稿 DC Weekly 2019年12月17日 – Soochow International Ultramarathon、Malaysia Mountain Festival、Tokyo Vertical Race、養老山脈、伊勢の森、近江湖南、Tokyo VerticalDogsorCaravan トレイルランニング・スカイランニングのオンラインメディア に最初に表示されました。

スポーツ中だけじゃなく僕の一日を静かに見守り、助けてくれる・Garmin fēnix 6 シリーズ・レビュー(後編)

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今年のUTMB開催中にシャモニーでお披露目されたGarminのfēnix 6シリーズ。当サイトも提供していただいたfēnix 6Xを実際に試して、レビュー記事の前編では新機能を中心に紹介しました。

何が変わった?アスリート注目の全部入りスポーツ・スマートウォッチ、Garmin fēnix 6 シリーズ・レビュー(前編)

2019.12.04

その後もこの最強のスポーツウォッチをランニングの間はもちろん、寝ている間も(睡眠の時間と質を記録できる)身につけ続けています。この間、腕から外すのは週1回くらいの充電とランニングの後のシャワーと一緒に洗う時だけ。

Garmin fēnix 6 シリーズのレビュー後編では、実際に当サイトの中の人がランニングや普段の生活の中で使って感じていることをご紹介していきます。

Garmin fēnix 6X Sapphire Black DLC

Garmin fēnix 6X Sapphire Black DLC

*レビュー前編でご紹介していたソーラー充電でバッテリー稼働時間がさらに伸びるfēnix6X Pro Dual Powerが12月19日に発売されることが発表されました。

トレイルランニング中は充実のナビゲーション機能が活躍

まずはアクティビティを選択、カスタマイズも可能

fēnix 6 シリーズを手にした人にとってまず気になるのはランニングウォッチ、とりわけトレイルランニングをする時のランニングウォッチとしての機能でしょう。

fēnix 6 シリーズの本体には最初からランニング、トレイルランニング、バイク(自転車)、トライアスロン、ハイキング、ウォーキング、プールスイム、カヤック、スキーなどなどたくさんの「アクティビティ」が登録されていて、それぞれのスポーツに適した運動中にディスプレイへ表示するデータや、GPSなどバッテリーに影響する項目などが予め設定されています。

右上のボタンを押すとアクティビティの選択画面に。「お気に入り」に設定したアクティビティが表示される。「Trail Run Ki」は筆者がカスタマイズして登録したもの。

右上のボタンを押すとアクティビティの選択画面に。「お気に入り」に設定したアクティビティが表示される。「Trail Run Ki」は筆者がカスタマイズして登録したもの。

DOWNボタンでスクロールしていくと、ウォッチに登録済みのアクティビティが現れる。

DOWNボタンでスクロールしていくと、ウォッチに登録済みのアクティビティが現れる。

さらにスクロールすると、「+」の表示が。このアクテビティ選択画面からウォッチで表示するアクティビティを追加できる。

さらにスクロールすると、「+」の表示が。このアクテビティ選択画面からウォッチで表示するアクティビティを追加できる。

スマートフォンアプリの「Garmin Connect」からアクティビティやアプリのウォッチの中での並び順を変えたり、削除したりといった操作ができる。

スマートフォンアプリの「Garmin Connect」からアクティビティやアプリのウォッチの中での並び順を変えたり、削除したりといった操作ができる。

内蔵されているアクティビティの一覧。様々なスポーツ、アウトドアアクティビティを選べる。

内蔵されているアクティビティの一覧。様々なスポーツ、アウトドアアクティビティを選べる。

僕の場合は最初から登録されているアクティビティ「トレイルランニング」を複製したアクティビティについてディスプレイに表示するデータを一部設定し直したオリジナルの「アクティビティ」を作って、普段のランニングやトレイルランニングで使っています。トレイルランニングを始めたばかりの頃に使っていた「Forerunner 310XT」の頃からの設定に慣れてしまっていて、その頃からの設定を引きずっています。ディスプレイの1枚目に時刻、高度、心拍数、距離を並べ、2枚目には総上昇量、総下降量。続いてラップについての情報のページが続き、気温とバッテリーレベル、日の出と日の入りの時刻をまとめたページ。最後に地図のページが来るようにしています。かつてはトレーニングで目標の心拍数を決めて走ったり、フルマラソンを走るときに1kmのラップ中のペースを見ながら走ったり、といったこともしていたんですね(今はあまりしていません)。

筆者のカスタマイズしたアクティビティのディスプレイ、1ページ目は現在時刻とスタートからの距離の間に高度と心拍数。

筆者のカスタマイズしたアクティビティのディスプレイ、1ページ目は現在時刻とスタートからの距離の間に高度と心拍数。

2ページ目にはトレイルランナーなら必ず知りたい、スタートからの総上昇量(累積獲得高度)と総下降量(累積喪失高度)。

2ページ目にはトレイルランナーなら必ず知りたい、スタートからの総上昇量(累積獲得高度)と総下降量(累積喪失高度)。

こちらは今走っている1kmのラップ(ラップの距離は設定で変更できます)について、0.49km地点で3分23秒経過、このままだとこのラップは6分52秒となることが一目瞭然。もっとスピードを上げましょう。

こちらは今走っている1kmのラップ(ラップの距離は設定で変更できます)について、0.49km地点で3分23秒経過、このままだとこのラップは6分52秒となることが一目瞭然。もっとスピードを上げましょう。

音楽のページを設定しておくと、音楽プレーヤーを操作することもできる。

音楽のページを設定しておくと、音楽プレーヤーを操作することもできる。

6Xではなんと1ページに8項目が表示可能になりました。一番上にバッテリー残量、一番下にはGPS信号の受信状態を表示。

6Xではなんと1ページに8項目が表示可能になりました。一番上にバッテリー残量、一番下にはGPS信号の受信状態を表示。

もちろんウォッチに内蔵の地図上で自分の現在地を表示可能。赤い線はナビゲーションするように設定しているコース。

もちろんウォッチに内蔵の地図上で自分の現在地を表示可能。赤い線はナビゲーションするように設定しているコース。

この他にも、スマートフォンアプリ「Connect IQ」からGarmin製またはサードパーティ製の様々なアプリをダウンロードして設定できるようになっています。

Connect IQのトップ画面。それぞれのアプリについて説明文を読むこともできますが、サードパーティ製アプリは英語のみということも。

Connect IQのトップ画面。それぞれのアプリについて説明文を読むこともできますが、サードパーティ製アプリは英語のみということも。

Garminの真骨頂、充実のナビゲーション機能

今回はPCブラウザ版のGarmin Connectを使ってあらかじめコースを作り、このコースをfēnix 6シリーズに読み込んでナビゲーションをしてもらいながら走ることにしました。

Garmin ConnectはPCブラウザ版、モバイル版ともにコース作成機能を備えていて、Googleマップをみながらスタート地点を選び、ポイントを順に指定していくと道なりにコースを作成してくれます。ユーザーが通ったことのあるコースのヒートマップを参照してくれるので、ロードだけでなくトレイルも大体人が通れるハイキングコースや登山道を選んでくれます(ただ、実際に安全に通れるか、通行不可とされていないか、は現地で確認する必要はあります)。そのほかにも例えばスタート地点と目的地を選んでその間のコースはおまかせでコースを設定するとか、「スタート地点から北に向かって帰ってくる10kmのループコース」と指定するとコースを設定できたり、とかなり細かいことができます。もちろん、自分が実際に走ったアクティビティを元にコースを設定したり、別途ダウンロードしたレースのコースのGPSログを読み込んでコースを設定することもできます。

スマートフォンのGarmin Connectアプリでコースを作成しているところ。スタート地点から順にポイントを指定して、その間は地図の情報やGarminが持つヒートマップを元に自動的につなぐ、というやり方。このほか、スタートとゴールだけ決めておまかせでコースを作ったり、指定の場所から「南に向かってループする5kmのコース」といった形でしていして自動的にコースを作ることもできる。

スマートフォンのGarmin Connectアプリでコースを作成しているところ。スタート地点から順にポイントを指定して、その間は地図の情報やGarminが持つヒートマップを元に自動的につなぐ、というやり方。このほか、スタートとゴールだけ決めておまかせでコースを作ったり、指定の場所から「南に向かってループする5kmのコース」といった形で指定して自動的にコースを作ることもできる。

こちらはPCを使ってウェブのGarmin Connectでコースを作成しているところ。公園や建物の中など、道をたどる設定では意図した通りにコースを作れない場合は、指定したポイントを直線でつなぐ「フリーハンド」に切り替える。

こちらはPCを使ってウェブのGarmin Connectでコースを作成しているところ。公園や建物の中など、道をたどる設定では意図した通りにコースを作れない場合は、指定したポイントを直線でつなぐ「フリーハンド」に切り替える(「フリーハンド」はPCでのみ使えるようだ)。

ウォッチから「アクティビティ」を選択するとディスプレイ上部に「▲オプション」の表示。ウォッチのUPボタンを押せばオプション設定画面に入ります。「コース」からはGarmin Connectに登録してあるコースを読み出してfēnixにナビゲーションしてもらって走ることができます。この他にもディスプレイに表示するデータの変更や差し替え、スクリーンに表示するデータの数を変更できたり、インターバルなどのトレーニングメニューを呼び出したりも可能。設定できる項目はたくさんありますが、直近に設定した三項目が最初に表示されてよく変更する項目には簡単にアクセスできる、といった工夫もしてあります。

アクティビティを選択した直後。UPボタンを押すとオプション設定画面へ。上端の赤いゲージはGPSの受信状況で完全に受信すると緑色に。正確にアクティビティのログを取るには緑色になってからスタートボタンを押すのが吉。

アクティビティを選択した直後。UPボタンを押すとオプション設定画面へ。上端の赤いゲージはGPSの受信状況で完全に受信すると緑色に。正確にアクティビティのログを取るには緑色になってからスタートボタンを押すのが吉。

オプション設定画面では最近設定した項目が最初に表示される。

オプション設定画面では最近設定した項目が最初に表示される。

最近使った三つの項目に続いてオプション設定のメニュー。

最近使った三つの項目に続いてオプション設定のメニュー。

オプション設定の「トレーニング」から「インターバル」を選んだところ。400mを5本。長さや本数は「編集」から変えられます。

オプション設定の「トレーニング」から「インターバル」を選んだところ。400mを5本。長さや本数は「編集」から変えられます。

「Connect IQ」からダウンロードできる「Strava Routes」というアプリはStravaの中に自分が登録しているコースをfēnixに読み込んでナビゲーションしてもらいながら走ることができるというもの。Garmin Connectに登録しているコースでなくてもfēnixに読み込めるというのが肝で、例えば他社製のウォッチで貯めてきた自分のログを活用できるわけです。

「Strava Routes」を起動。Stravaに登録しているルートが表示される。

「Strava Routes」を起動。Stravaに登録しているルートが表示される。

ルートを選び、「ルート航法」(Route Navigation)を選ぶと、アクティビティの選択画面になり、指定したアクティビティのコースとして読み込まれる。

ルートを選び、「ルート航法」(Route Navigation)を選ぶと、アクティビティの選択画面になり、指定したアクティビティのコースとして読み込まれる。

「プレビュー」を選ぶと、コースを地図上で確認できる。

「プレビュー」を選ぶと、コースを地図上で確認できる。

驚いたのは「ナビゲーション」のメニュー。これは目的地を設定するとfēnixに内蔵されている地図機能を使って現在地からのルートを割り出して、車のナビと同じように行動中に案内してくれるという機能。目的地については駅などの交通機関だけでなく各種のお店なども登録されていて、例えばGoogle Mapで表示されるような各種の施設(山や山小屋も含まれます)とほぼ同様のポイントが登録されています。ポイントを探すには現在地の「周辺」を選ぶと近くのポイントが表示される他、業態を選択してからポイントを選んだり、名前をタイプ(接続しているスマートフォンの「Garmin Connect」アプリからタイプできます)して検索することも可能。ただ、ウォッチでメニューを操作したり、選択肢を一覧するのはスマートフォンに比べるとやりづらいのは確か。とはいえ、例えば大雨などで天候が厳しかったり、バイクやスキーでいちいちスマートフォンを取り出せないといった場合には、ウォッチだけで場所を指定してナビゲーションできるのはありがたい機能のはず。目的地を予めウォッチで探しておいて「ポイント登録」しておくこともできるので、うまく活用すればfēnixだけでナビゲーションできる機能はかなり活用できそうです。

ナビゲーションの目的地設定は現在地周辺から候補を探すこともできるが、ここではPOI(Point of Interest)の中から検索してみた。都市名、フード・ドリンク、ショッピングなどのジャンルの中からジオポイントを選ぶ。名前検索を選んで目的地を入力。スマートフォンから入力すれば簡単。

ナビゲーションの目的地設定は現在地周辺から候補を探すこともできるが、ここではPOI(Point of Interest)の中から検索してみた。都市名、フード・ドリンク、ショッピングなどのジャンルの中からジオポイントを選ぶ。名前検索を選んで目的地を入力。スマートフォンから入力すれば簡単。

少し検索に時間がかかったが目的地の大楠山が候補に表示された。

少し検索に時間がかかったが目的地の大楠山が候補に表示された。

地図上で目的地の大楠山の場所を確認。

地図上で目的地の大楠山の場所を確認。

そのまま目的地の大楠山へナビゲーションを開始することができる(画像は筆者の自宅周辺のためモザイク加工をしています)。

そのまま目的地の大楠山へナビゲーションを開始することができる(画像は筆者の自宅周辺のためモザイク加工をしています)。

アクティビティ中はどのデータを表示していても、道を曲がるときには音と振動でアラートが出て、ディスプレイに何メートル先でどちらに曲がるかを表示。曲がるポイントにつくともう一度アラートとディスプレイ表示で知らせてくれます。ただ、街の中で細かく左右に角を曲がるようなところを走る場合には、ちょっとしたタイミングのズレで曲がる場所を通り過ぎてしまったりすることも。都心のようにビルでGPSの受信が遅れたりする場合もうまくいかないことがあるかもしれません。ただ、見晴らしのいい郊外や山であればバッチリ、ナビゲーションを活用できそうです。

ナビゲーション中は分岐が近づくと方向が表示される。これは45m先で左方向へ、という指示。

ナビゲーション中は分岐が近づくと方向が表示される。これは45m先で左方向へ、という指示。

分岐点に来るとその場でもう一度方向を指示される。

分岐点に来るとその場でもう一度方向を指示される。

設定しているコースから外れてしまった場合にはウォッチから音と振動で「オフコース」のアラートが出ます。この場合は進んできた道を戻ります。コース上まで戻ると「オンコース」と知らせてくれるので、そこから正しい方向に進みます。よく知っているコースで意図的に近道をした場合はコースに戻ったところで「オンコース」と知らせてきます。

ナビゲーション中にコースから外れるとアラート音とともに「オフコース」の表示。意図的にショートカットしているのでなければ、コースを引き返そう。

ナビゲーション中にコースから外れるとアラート音とともに「オフコース」の表示。意図的にショートカットしているのでなければ、コースを引き返そう。

コースに戻ると再びアラート音とともに「オンコース」と表示される。

コースに戻ると再びアラート音とともに「オンコース」と表示される。

山でも街でもレースでも。家族も安心の「LiveTrack」機能と万が一のための事故検出、援助要請機能

準備ができたらスタートボタンを押してランニングをスタート。するとスマートフォンから「LiveTrack in Progress」の表示が。この「LiveTrack」機能はスマートフォンを身につけて接続した状態のままfēnixでアクティビティをスタートすると、予め登録してある相手(例えば家族)に電子メールでアクティビティを開始したことを通知する機能。家族は電子メールの中にあるリンク先からリアルタイムに自分が地図上のどこを走っているか確認できます。例えば、トレイルランニングで山に行く場合でも携帯電話の電波が届くところなら、自分がどこにいるかを登録相手に伝えることができるわけです。自宅の近くでランニングをする場合にも、いつから走り始めたか、どこを走っているかを登録相手は確認できます。Stravaに連動させることもできるので、同様の機能でStravaのSummit会員が利用できる「Beacon」機能を通じて設定した相手先に所在を伝えることもできます。この「LiveTrack」機能、僕の家族には大変好評です(正直にいうと、僕としてはいつどこを走っているかあまり知られたくないこともあるんですが)。

Garmin ConnectのLiveTrack設定画面。ここではウォッチでのアクティビティの開始に合わせて自動でLiveTrackを開始するように設定しているが、必要な時だけ手動でLiveTrackを開始することもできる。アクティビティ中の所在を確認できるリンクを知らせるのは電子メールで最大50先まで指定可能。自分のTwitterでリンクをつぶやくこともできる。「Strava Beacon」をオンにするとStravaのビーコン機能と連動する。

Garmin ConnectのLiveTrack設定画面。ここではウォッチでのアクティビティの開始に合わせて自動でLiveTrackを開始するように設定しているが、必要な時だけ手動でLiveTrackを開始することもできる。アクティビティ中の所在を確認できるリンクを知らせるのは電子メールで最大50先まで指定可能。自分のTwitterでリンクを自動的につぶやくこともできる。「Strava Beacon」をオンにするとStravaのビーコン機能と連動する。

LiveTrackが起動すると登録した相手が受け取るメール。

LiveTrackが起動すると登録した相手が受け取るメール。

メールの中のリンクをクリックするとブラウザ上で現在地とたどっているコースを地図上で確認できる。アクティビティが終わればリンクは無効になるが、設定によりアクテビティ終了後24時間以内は表示可能とできる。

メールの中のリンクをクリックするとブラウザ上で現在地とたどっているコースを地図上で確認できる。アクティビティが終わればリンクは無効になるが、設定によりアクテビティ終了後24時間以内は表示可能とできる。

この他fēnix 6シリーズではウォッチを装着中に転倒や衝突といった事故に遭った場合を自動的に検出して予め登録した緊急連絡先にメールで自動的に連絡する「事故検出」機能、急に体調を崩すなどして電話連絡もできない緊急事態にウォッチのボタンを押せば緊急連絡先にメールで連絡できる「援助要請」機能も設けられています。これはfēnix 5シリーズにはなかった新機能となります。この機能も一度試して見ましたが、援助要請のメッセージを受け取った家族は「一目で何か大変なことだと分かったからドキッとした」とのことでした。万が一の場合にもうっかりスルーされずにすみそうです。ただし、いざという時にこの機能が起動するには、ウォッチだけでなくスマートフォンも携帯している(ウォッチがスマートフォンにBluetooth接続された状態を維持している)必要があります。

事故検出と援助要請の設定画面。緊急連絡先は電子メールで3つの先まで設定できる。

事故検出と援助要請の設定画面。緊急連絡先は電子メールで3つの先まで設定できる。

「コントロール」に援助要請を登録しておけば、万が一の場合にも直ぐに緊急連絡先に伝えることができる。

「コントロール」に援助要請を登録しておけば、万が一の場合にも直ぐに緊急連絡先に伝えることができる。

登りセクションであとどれくらい頑張ればいいか教えてくれるClimbPro機能

ランニング中はあらかじめ設定したディスプレイで距離や標高、心拍数を確認しながら走ります。コースのナビゲーション中は通常に加えて、地図やClimbPro、コース高低図の中で自分がどこにいるか、といったデータを表示するページが追加され、手元で見ることができます。ClimbProはコース上の登りセクションを検知して、そのセクションの距離と獲得高度をディスプレイ上に表示。さらにそのセクションのどこまで自分が進んでいるかと登りの速度を表示してくれます。これはトレイルランニング中だけでなく登山中のモチベーションを保つのにも役立ちますね。

コースに沿ってアクティビティを始めると、ディスプレイにClimbProのページを表示できる。この画面ではスタートから26分52秒後、コース上の11箇所の登りセクションの1箇所目にいる。このセクションは距離0.50kmで標高差33mの登りで平均斜度は3%。現在の昇降速度は毎時+700m。中ほどのグラフの緑色の小さい丸のあたりにいて、残りは青色で表示されている。

コースに沿ってアクティビティを始めると、ディスプレイにClimbProのページを表示できる。この画面ではスタートから26分52秒後、コース上の11箇所の登りセクションの1箇所目にいる。このセクションは距離0.50kmで標高差33mの登りで平均斜度は3%。現在の昇降速度は毎時+700m。中ほどのグラフの緑色の小さい丸のあたりにいて、残りは青色で表示されている。

音楽機能はSpotify、Amazon、LINE、AWAなどに対応

最近のGarminのウォッチの機能の目玉の一つが音楽が聴ける機能。fēnix 6シリーズは32MBのメモリーを内蔵していて、ウォッチに曲を保存してBluetooth接続のワイヤレスイヤホンで聴くことができます。曲の保存のやり方としては、PCアプリのGarmin Expressを経由して音楽のファイルをウォッチに転送するということもできますが、スムーズなのはサブスクリプション型の音楽サービスとの連携機能を使うことでしょう。Connect IQから対応する音楽アプリをウォッチにインストールします。アカウントを持っているSpotifyを試しましたが、メニューからスマートフォンアプリと同様におすすめのアルバムやプレイリスト、自分で作ったプレイリストを選ぶことができ、WIFIに繋がっている状態で曲のデータをダウンロードします。あとはアクテビティのディスプレイに「音楽」を加えておけば、ランニング中にプレーヤーを操作して音楽を聞いたり曲を選んだりすることができました。音楽サービスとしてはSpotifyの他にLINE Music、AWA Musicなども。最近Amazon Musicもアプリが公開されたので試しましたが、僕のPrime Musicのアカウントではプレイリストは表示されず。Unlimitedのアカウントであれば使えるでしょう。

現在、Connect IQアプリからウォッチにダウンロード可能な音楽アプリ。

現在、Connect IQアプリからウォッチにダウンロード可能な音楽アプリ。

Spotifyのアプリを起動。すでにダウンロード済みのプレイリストがウォッチのライブラリに入っている。

Spotifyのアプリを起動。すでにダウンロード済みのプレイリストがウォッチのライブラリに入っている。

ライブラリを選択すると、Bluetooth接続のイヤホンと接続する。ここから新しくイヤホンを登録することもできる。

ライブラリを選択すると、Bluetooth接続のイヤホンと接続する。ここから新しくイヤホンを登録することもできる。

イヤホンを接続すると曲の再生が始まる。再生/停止、曲送りのほか、UPボタンを押すと追加のプレイヤー操作メニューへ。

イヤホンを接続すると曲の再生が始まる。再生/停止、曲送りのほか、UPボタンを押すと追加のプレイヤー操作メニューへ。

追加のプレイヤー操作メニュー。ライブラリに戻ってプレイリストを選び直すこともできる。

追加のプレイヤー操作メニュー。ライブラリに戻ってプレイリストを選び直すこともできる。

メニューから「音楽とポッドキャストの追加」を選ぶと、自分のSpotifyアカウントと連動してプレイリストを選択できる。

メニューから「音楽とポッドキャストの追加」を選ぶと、自分のSpotifyアカウントと連動してプレイリストを選択できる。

おすすめのなかから「Discovery Weekly」を選んでみる。

おすすめのなかから「Discovery Weekly」を選んでみる。

Spofityからウォッチにプレイリスト「Discover Weekly」の30局のダウンロードが始まる。ダウンロードはスマートフォンとのBluetooth接続ではなくWIFI接続で行われるので、ウォッチをWIFIに接続する設定をしておく必要がある。最初にSpotifyとの接続を待った後、ダウンロードが始まる。

Spofityからウォッチにプレイリスト「Discover Weekly」の30曲のダウンロードが始まる。ダウンロードはスマートフォンとのBluetooth接続ではなくWIFI接続で行われるので、ウォッチをWIFIに接続する設定をしておく必要がある。最初にSpotifyとの接続を待った後、ダウンロードが始まる。

僕の場合はランニング中であってもスマートフォンを身につけていることが多いです。音楽を聴くならスマートフォンのアプリで曲やプレイリストを探してワイヤレスイヤホンで聴くのが、正直なところ自然ではあります。ただ、雨が降っているとかバイクやスキーでスマートフォンはしっかりしまっておきたい時には、ウォッチから音楽を聴ける機能は光ります。音楽機能はアクテビティ中以外でもウィジェットやコントロールから呼び出して使えます。

なお、アクテビティ中に音楽を聴くのは周囲の音が聴こえなくなって危険という場面もあります。それでも完全ワイヤレスイヤホンなら片耳だけイヤホンをつけることができるし、例えばAirPods Proならノイズキャンセルのイヤホンの外音取込みモードを使うと周囲の音も自然に聞こえます。

走り終えたらデータをじっくり確認

無事に走り終えてストップボタンを押すとアクティビティは一時停止に。そのまま「保存」を選ぶとアクティビティは終了。「再開」を選べばアクティビティは再開。「あとで再開」というメニューもあり、いったん通常のウォッチ画面に戻ってゆっくり食事や休憩をしてからアクティビティを再開することもできます。

アクティビティを終了すると、そのデータをfēnixからGarmin Connectのクラウドにアップロードします。これはBluetoothでスマートフォンと接続することでアップロードするのですが、あらかじめfēnixにWIFIのアクセスポイントを設定しておけば自動的にWIFI経由でアップロードも可能。自宅のWIFIを設定しておけば、帰宅してシャワーを浴びている間に(実際は浴びる前に)アップロードは完了しています。

あとはスマートフォンのGarmin Connectアプリでも、PCのウェブ版Garmin Connectでも自由にアクティビティのコースや、ラップ、心拍数などなど詳細なデータを確認することができます。

ランニングを終えた後、スマートフォンのGarmin Connectアプリで距離や平均ペース、高度上昇(累積獲得高度)を確認。

ランニングを終えた後、スマートフォンのGarmin Connectアプリで距離や平均ペース、高度上昇(累積獲得高度)を確認。

アクティビティに関するデータを一覧。データはウォッチ上でも確認できる。

アクティビティに関するデータを一覧。データはウォッチ上でも確認できる。

もちろんグラフでビジュアルに確認することも可能。

もちろんグラフでビジュアルに確認することも可能。

スマートフォンを横向きにすると心拍数と高度を重ねて表示することも可能。

スマートフォンを横向きにすると心拍数と高度を重ねて表示することも可能。

fēnix 6Xを使うようになってからは充電の頻度が以前よりグッと減りました。旅先で走るとしても二、三泊程度であれば旅行中に充電する必要は感じないでしょう。ビジネス中心の出張旅行でタイミングをみて走る程度であれば1週間でも大丈夫なはず。いざというときにバッテリーが空っぽということにならないよう、残量を通常のウォッチ表示で意識するようにしています。

ここでfēnix 6シリーズにちょっと便利なアクセサリーのご紹介。本体に付属の充電・PC接続ケーブルはコンパクトでかさばらなくていいのですが、充電する時には写真のようにウオッチの裏に突き刺します。これだとちょっと充電中に落ち着かない気がするのは僕だけでしょうか。

ここでfēnix 6シリーズにちょっと便利なアクセサリーのご紹介。本体に付属の充電・PC接続ケーブルはコンパクトでかさばらなくていいのですが、充電する時には写真のようにウオッチの裏に突き刺します。これだとちょっと充電中に落ち着かない気がするのは僕だけでしょうか。

そんな時、Amazonで左のような円形の台がついた接続ケーブルを見つけました。Garmin純正ではなく、いくつか同じような製品が売られていましたが、だいたい1000円前後でした。

そんな時、Amazonで左のような円形の台座がついた接続ケーブルを見つけました。Garmin純正ではなく、いくつか同じような製品が売られていましたが、だいたい1000円前後でした。

この台付き接続ケーブルなら充電中も落ち着きがよくなりました。PCにつないで同期・充電することも、モバイルバッテリーにつないで充電しながら操作することもできました(ただし純正品ではないので、ご覧の皆さまが試される際にはご自身の責任でお願いします)。

この台座付き接続ケーブルなら充電中も落ち着きがよくなりました。PCにつないで同期・充電することも、モバイルバッテリーにつないで充電しながら操作することもできました(ただし純正品ではないので、ご覧の皆さまが試される際にはご自身の責任でお願いします)。

モバイルバッテリーにつないで腕に装着することも一応できました(もちろん光学心拍計は使えません)。こんなことをしなくてもバッテリー稼働時間で困ることはあまりないと思いますが、役に立つこともあるかもしれませんね(純正品ではないので、ご覧の皆さまが試される際にはご自身の責任でお願いします)。

モバイルバッテリーにつないで腕に装着することも一応できました(もちろん光学心拍計は使えません)。こんなことをしなくてもバッテリー稼働時間で困ることはあまりないと思いますが、役に立つこともあるかもしれませんね(純正品ではないので、ご覧の皆さまが試される際にはご自身の責任でお願いします)。

秒を常時表示可能、ウィジェットも見やすく

Garminのウォッチだったらランニングやハイキングの機能が充実しているのはわかっているけれど、それ以外の機能はどうなの?という方は多いでしょう。スマートウォッチとしての機能もfēnix 6になってさらに充実してきました。

カスタマイズ性が高いウォッチフェイス、常に秒が表示されて普通の腕時計のように

アクティビティをしていない時に表示されているのがウォッチフェイス。表示するディスプレイは半透過メモリインピクセル(MIP)で、バックライトを点灯しない限り光を発しないので、バッテリー消費が抑えられて太陽光の下でも見やすくなっています。レビュー前編でも紹介したようにfēnix 6Xでは直径35.56 mm(280×280ピクセル)とfēnix 5Xの直径30.5mm(240×240ピクセル)からはグッと大きく、解像度も高くなりました。

6X(左)と5(右)で一見ディスプレイの大きさはあまり違いがないようにみえます。しかし、外側の金属のメタルの内側にある黒字に目盛りがプリントされている部分は6Xの方がずっと薄く、ディスプレイの大きさには実は大きな差があります。

6X(左)と5(右)で一見ディスプレイの大きさはあまり違いがないようにみえます。しかし、外側の金属のメタルの内側にある黒地に目盛りがプリントされている部分は6Xの方がずっと薄く、ディスプレイの大きさには実は大きな差があります。

ウォッチの本体にもアナログ文字盤風、ゴツいクロノグラフ風、シンプルなデジタル表示などのウォッチフェイスが入っているのですが、最近僕が気に入っているのはサードパーティ製でスマートフォンアプリ「Connect IQ」からダウンロードできるウオッチフェイス。例えば「Data Lover」というウォッチフェイスは数字で時刻、日付をデジタル表示する他に天候や心拍数やその日の歩数などをいろいろカスタマイズして表示。こうしたサードパーティ製ウォッチフェイスのダウンロードは無料ですが、機能の限定や「trial」の表示を外すには作者に「寄付」をすると送られてくるコードをGarmin Connectのウォッチフェイス設定画面で入力する必要があります。「Data Lover」は3ユーロをPayPalで送金するとアプリの作者からコードが送られてきました。このあたりの課金の仕組みがまだこなれていないのと、ウォッチフェイスの設定や機能の説明は英語のみという場合が少なくないあたりが少々ハードルが高いかもしれません。

最近気に入っているサードパーティー製ウォッチフェイス、「Data Lover」。時刻や日付のほかに気温や一日の歩行距離、標高、ステップ数、心拍数のグラフ表示など、多様なデータを一覧できる。

最近気に入っているサードパーティー製ウォッチフェイス、「Data Lover」。時刻や日付のほかに気温や一日の歩行距離、標高、ステップ数、心拍数のグラフ表示など、多様なデータを一覧できる。

「Data Lover」に設定可能な項目。

「Data Lover」に設定可能な項目(作者のウェブサイトより)。

さらにウォッチフェイスの設定次第では日時の表示に秒を加えて、1秒毎に時間が過ぎゆくのを確認できます(ただし、バッテリー稼働時間がやや短くなります)。これは些細なことのようですが、常時表示ができるようになったApple Watch Series 5でも、常時表示状態では秒針は動きません。バッテリーの制約が大きいはずのスマートウォッチでありながら普通の腕時計に近い形で違和感なく使えるのは僕にとっては大きなメリットです。

三分割で見やすくなったウィジェット選択画面、Body Battery機能が面白い

ウォッチフェイスからスマートウォッチとしての各種の機能を呼び出す方法はウィジェットとコントロールの二つ。ウィジェットは天気、日の出・日の入り、コンパス・高度・気圧、VO2Max、前回アクティビティ、ステップ数などなどのデータを表示できる機能です。ウォッチのUPボタン、DOWNボタンを押すとウィジェットの選択画面に切り替わりますが、fēnix 6シリーズではディスプレイを上下に3分割してそれぞれの各ウィジェットのエッセンスとなるデータを表示。ボタンでスクロールして選択すると、そのウィジェットが立ち上がってさらに詳細なデータが確認可能になりました。fēnix 5ではこのディスプレイの3分割がなかったので、何のウィジェットを入れていたかが分からなくなりがちでした。ウィジェットの追加や削除、並べ替えといった編集操作もウィジェットの選択画面からすぐにできるようになりました。もちろん、スマートフォンのGarmin Connectアプリからもこうした操作はできるのですが、ちょっとした変更を手元ですぐにできるのはやはり便利です。

上、中、下に3分割されてウィジェットの一覧性が高くなった。

上、中、下に3分割されてウィジェットの一覧性が高くなった。

ウィジェット選択画面からウィジェットの並び順変更や削除の編集画面に入りやすくなった。

ウィジェット選択画面からウィジェットの並び順変更や削除の編集画面に入りやすくなった。

ウィジェットの追加も可能。

ウィジェットの追加も可能。

もちろん、ウィジェット選択画面からそれぞれのウィジェットの情報を詳細にみることができる。こちらは「天気」のウィジェット。一日の天気、気温、このあとの気温や降水確率の推移がみられる。

もちろん、ウィジェット選択画面からそれぞれのウィジェットの情報を詳細にみることができる。こちらは「天気」のウィジェット。一日の天気、気温、このあとの気温や降水確率の推移がみられる。

さらにページを進めると1時間ごとの天気予報。

さらにページを進めると1時間ごとの天気予報。

もう一枚進めると明々後日までの天気予報。

もう一枚進めると明々後日までの天気予報。

とはいうもののライフトラッキング関係のデータはその日だけでなく、過去からの推移を見たいので、スマートフォンかPCでGarmin Connectをよく開いて見返しています。心拍数、ステップ数などなどのデータが取れるのですが、僕はGarminの体重計、「Index Smart Scale」(日本では発売されておらず海外の通販サイトで個人輸入しました)も使っていて、体重を測るたびに自動的にWIFI経由で体重関係のデータがGarmin Connectにアップロードされています。睡眠のトラッキングももちろんやっていて、就寝時間と起床時間を見返す他、三段階で示される睡眠の深さ(「深い」、「浅い」、「レム」)をみて、眠りが浅い時や睡眠時間が短い時はもう少し生活リズムを整えよう、と考えたりしています。

Garminの体重計、「Index Smart Scale」で測ったデータもGarmin Connectでみることができる。

Garminの体重計、「Index Smart Scale」で測ったデータもGarmin Connectでみることができる。

睡眠時間のトラッキングができるのはバッテリー稼働時間の長いスマートウォッチである必要がある。

睡眠時間のトラッキングにはfenixのようにバッテリー稼働時間の長いスマートウォッチが適している。

ウォッチのセンサーが自動で入眠と起床をトラックしてくれる。睡眠の深さの推移を確認できる。

ウォッチのセンサーが自動で入眠と起床をトラックしてくれる。睡眠の深さの推移を確認できる。

最近加わった機能でユニークなのが「Body Battery」という指標。これは心拍数の変動やストレスの度合い、睡眠の質、アクティビティの程度を総合的に考慮して計算される「体に蓄えられたエネルギー」を0から100で表したもの。朝起きて、通勤や仕事などでストレスを感じたり、長時間のランニングをするとBody Batteryの量が下がっていきますが、リラックスして自由に過ごしたり、昼寝をしたり、そして一晩寝たりするとBody Batteryが回復します。体感的にも疲れているなと感じるときはバッテリーの値が低くなっています。これも後から見返してみるとどんな時にバッテリーが落ちているか分かるので、自分の体調をタイミングよく整えよう、と考えるようになりました。

ある日のBody Batteryの推移。睡眠によって回復し、日中の各種のストレスやランニングなどのアクティビティで減少する、というイメージ。

ある日のBody Batteryの推移。睡眠によって回復し、日中の各種のストレスやランニングなどのアクティビティで減少する、というイメージ。

日々、バッテリーのチャージと消費を繰り返すのが健康な生活ということになるが、睡眠不足や疲労でバランスが崩れることがある。そんな時に睡眠時間を増やしたり、ストレスを避けるようにしよう、と考えるきっかけになりそう。

日々、バッテリーのチャージと消費を繰り返すのが健康な生活ということになるが、睡眠不足や疲労でバランスが崩れることがある。そんな時に睡眠時間を増やしたり、ストレスを避けるようにしよう、と考えるきっかけになりそう。

注目のGarmin Payは対応する銀行、カード会社、使えるお店の拡大に期待

ウォッチフェイスから各種の機能を呼び出すもう一つの方法がコントロール。ウォッチ左上のLightボタンを長押しするとディスプレイの円周に沿って機能が並ぶコントロールの表示を呼び出せます。ウォッチの電源オンオフ、バッテリー節約モードのオンオフ、タイマー、スマートフォンの呼び出し(部屋の中でスマートフォンを見失ったとき便利)、フラッシュライト(ディスプレイ全体を白く光らせる)などなどの機能をサッと呼び出せます。なお、このコントロールの画面はアクティビティ中でも呼び出すことができます。

コントロールから呼び出せる注目の機能はGarmin Payです。内蔵のチップによりウォッチをお店の端末にかざすだけで非接触のキャッシュレスで支払いができます。Garmin Payは以前から日本でも使えるようになっているのですが、対応するクレジットカード・デビットカードは三菱UFJ-VISAデビットだけでした。しかし、今年11月にジャパンネット銀行のVISAデビットカードもGarmin Payに登録できるようになりました。

左上ボタン長押しで「コントロール」を起動。「ウォレット」からGarmin Payを起動する。

左上ボタン長押しで「コントロール」を起動。「ウォレット」からGarmin Payを起動する。

現在日本でGarmin Payに対応しているのは三菱UFJ銀行(三菱UFJ-VISAデビット)とジャパンネット銀行のみ(本稿公開時点)。

現在日本でGarmin Payに対応しているのは三菱UFJ銀行(三菱UFJ-VISAデビット)とジャパンネット銀行(VISAデビットカード)のみ(本稿公開時点)。

僕もジャパンネット銀行の口座を持っていてキャッシュカードと一つになったVISAデビットカードが手元にあるので早速、Garmin Payを使ってみました。近くのローソンに立ち寄り、登録を済ませたウォッチのコントロールからウォレットを起動(コントロールはアクティビティ中でも呼び出せるのでランニング中でも買い物ができます)。ローソンでお店の人には「VISAのタッチ決済で」と伝えて端末にウォッチをかざして、無事にドリンクを買えました。支払い額がジャパンネット銀行の口座から即時引き落とされたことを知らせるメールがすぐに届きました。

Garmin Payで買い物をしたレシート。

Garmin Payで買い物をしたレシート。

ウォッチのコントロールからウォレットを呼び出す時、数字4桁のパスコードを入力するのですが、数字の選択はタッチスクリーンではなく、UP・DOWNボタンを操作するのが少々煩わしいところ。ただ一度パスコードを入力してロックを外すと、しばらくの間はウォッチフェイス表示に戻ってまたウォレットを呼び出してもロックが解除された状態が保たれるようです。ということはお店に入る前に解除してすぐ買い物を済ませれば、もたつかずに済むということになりそう。

Garmin Payを起動するには四桁のパスコードを入力するのだが、このようにUP・DOWNボタンで数字を選ぶ形式。タッチスクリーンではないのでやむを得ないが、工夫を期待したいところ。

Garmin Payを起動するには四桁のパスコードを入力するのだが、このようにUP・DOWNボタンで数字を選ぶ形式。タッチスクリーンではないのでやむを得ないが、工夫を期待したいところ。

今のところ三菱UFJ、ジャパンネット銀行ともにVISAデビットによる決済なので使えるお店はどちらも同じ。現在、様々なキャッシュレス決済サービスが登場して使える場面を競うように広げていますが、国内でVISAデビットが使えるお店は競合相手に比べるとやや限られます。僕の日常的な行動範囲では今のところはローソンとマクドナルドの各店で使うことになりそうです(ただ海外ではVISAのタッチ決済が用いる規格が主流で、世界中で広く使えるそうです)。このためかローソンでも「Garmin Payで」では通じず、「VISAのタッチ決済で」と言ったら一度聞き返されながらも通じました。

おそらくfēnix 6シリーズが搭載している非接触型決済用のチップは国際規格のType A/Bで、日本で有力なFeliCa規格は利用できなさそう。この辺りが日本で利用できるシーンが絞られる理由なのでしょう。しかし東京オリンピックに向けてVISAは日本でのビジネスに力を入れるでしょうし、今後日本でGarmin Payが使える場面が増えることに期待したいと思います。

トレイルランナー必携のfēnix 6シリーズ、大きすぎるようなら6Sはいかが?

以上、レビュー後編ではGarmin fēnix 6Xを使っている僕が個人的にご紹介したいことをいくつか取り上げました。正直、まだまだ注目の機能があってキリがありません。トレイルランニングをはじめ、スポーツやアウトドアアクテビティに積極的に取り組んでいる人にとって、fēnix 6シリーズは全部入りスマートウォッチの決定版といえる存在です。

とはいえ、現在様々なメーカーから次々と発売されるスマートウォッチのなかでは少々大振りなのは確かです。そう感じる場合は、シリーズの中では小ぶりなfēnix 6Sという選択があります。レビュー前編でご紹介した通り、fēnix 5Sよりもコンパクトでケースは薄くなりました。バッテリー稼働時間もほとんどの場合で十分と感じるはず。

僕の場合はiPhone、iPad、MacBookとApple製品に囲まれていて、Apple Watchとの両刀遣いを続けることになりそう。これからもGarminが開発する今後の新モデルに期待しながら、右腕と左腕に何をつければ最も便利で愉快な毎日を過ごせるか考え続けたいと思います。

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投稿 スポーツ中だけじゃなく僕の一日を静かに見守り、助けてくれる・Garmin fēnix 6 シリーズ・レビュー(後編)DogsorCaravan トレイルランニング・スカイランニングのオンラインメディア に最初に表示されました。

2020年のUTMB® Mont-Blanc 概要まとめ・プレエントリー受付中、必要なポイント数は引き下げられています。

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今年も12月17日(日本時間午後6時)に2020年のUTMB®︎ Mont-Blancのプレエントリーがスタートしました。少しずつですが毎年変わっているUTMB®の各イベントとそのエントリーについてまとめる当サイト恒例の記事です。

来年のUTMB® Mont-Blancは2020年8月24日(月)から8月30日(日)に開催。プレエントリーは2020年1月2日(木)まで大会ウェブサイトで受付が行われ、抽選結果は1月9日(木)午前10時(日本時間同日午後6時)に発表されます。

今年4月、UTMB®︎ Mont-Blancは出場希望者が増え続けていることと希望者の負荷が高まり続けていることを受けて、(現在受付中の2020年大会ではなく)2021年大会へのエントリーからエントリー制度を改革することを発表しました。必要なポイント数を引き下げ、新たに「by UTMB®︎」やUTWTのレースを完走することで得られる「ランニングストーン」を導入。ランニングストーンを得ることで抽選免除や抽選チケット追加のメリットが得られる一方、二回抽選外れの優先エントリーの仕組みは廃止に。現在受付中の2020年大会へのエントリーは新制度への移行のため、必要なポイント数の引き下げが先行して導入されています。

UTMB®︎ Mont-Blancの新エントリー制度については次の記事で詳しくご覧いただけます。

UTMB®︎が大会エントリーの改革を発表、抽選倍率の高騰と応募者への負担の高まりを受けてBy UTMB®︎、UTWTのレース完走者を優遇する仕組みへ2021年から移行。

2019.04.18

解説・UTMB®︎が2021年から導入する新エントリー制度は、ランナーのニーズにあわせてUTMB®︎への道を選べる柔軟性が特徴

2019.04.18

(写真・2019年のMCCのスタート。Photo: UTMB®︎ Mont-Blanc)

UTMB® Mont-Blancの7つのレース

UTMB-2016-logo-Columbiaその大会名となっているモンブラン山麓をシャモニーから一周するUTMB®のほか、約300kmの縦走イベントであるPTL®など7つのレースが行われます。

  • UTMB® :171km / 10,300mD+、制限時間46時間30分、定員2,300人
  • CCC® :101km / 6,100mD+、制限時間26時間30分、定員1,900人
  • TDS® :145km / 9,100mD+、制限時間42時間、定員1,600人(2019年大会よりそれまでの121km / 7,300mD+、制限時間33時間のコースに山岳パートを増やす形でコースを変更)
  • OCC :56km / 3,500mD+、制限時間14時間、定員1,200人
  • PTL® :1ステージでコースマークなどがなく順位の付かない縦走イベント。3人のグループで参加(2020年大会からそれまで2人または3人1組とされていたのが3人1組のみに)。約300km / 25,000mD+、制限時間151時間30分、定員100チーム(300人) 。
  • MCC :40km / 2,300mD+、制限時間10時間、定員1,000人
  • YCC:2015年から始まった14〜22歳の中高校生・大学生の世代を対象としたユースイベント。シャモニー中心部を走るプロローグに続き、翌日水曜日にクールマイユールをスタート・フィニッシュする15km 1,000mD+のレース(定員300人、制限時間4時間)などを開催。フランス国内の近隣のトレイルランニング大会に設けられる4つのユースイベントでシリーズ戦、The Young Trail Challengeが開催されます。

プレエントリーの日程

  • プレエントリーの対象となるイベント:UTMB®、CCC®、TDS®、OCCについて定員を超えるプレエントリーがあった場合に抽選が行われます。PTL®はプレエントリーをもとに大会側で参加を認めるか審査し、審査通過が定員を超えると抽選が行われる仕組みとなっています。なお、2018年と2019年に連続して同じレースにプレエントリーして落選している場合は抽選なしの優先エントリーが可能、2019年に落選している場合は被抽選権が2倍になります(いずれもPTL®︎を除く)。このほか、2019年に行われたUshuaia by UTMB®︎(FMU)、Oman by UTMB®︎(137km、170km)を完走し、各レースに必要なポイントで資格を満たしている場合も抽選を経ずに優先エントリーが可能です。
  • YCCとMCC:YCCは12月17日からエントリーが始まり、先着順で満員となるまで受付が行われます。MCCについては原則として大会ボランティア、地元自治体在住者のほか、大会スポンサー関係者などのみにエントリーが認められます。日本からは大会と提携している旅行会社のツアーを通じて参加することが可能な模様です。
  • プレエントリー期間:2019年12月17日(火)10:00 CET(日本時間同日18:00)〜2020年1月2日(木)
  • エントリー料:デポジットとして50ユーロをクレジットカードとして支払う(当選した場合はエントリー手続き時にエントリー料に充当、当選しなかった場合は払い戻し)。
  • 抽選:プレエントリーが定員を超えたレースについては抽選が行われ、1月9日(木)10:00 CET(日本時間同日18:00)に抽選結果が発表されます。いずれのレースにもウェイティング・リストは設けられません。
  • 抽選に外れた場合:次回2021年の大会にエントリーする際に次のような抽選での優遇があります(2017年大会からは抽選に外れた場合に満員となっていない他のレースに振り替える仕組みは設けられていません)。
    • 今回初めて抽選に外れた場合:2021年大会での抽選で、抽選チケットが一枚追加されます。ランニングストーンが導入されるなど、2021年大会の抽選からは大幅にエントリーの仕組みが変更される結果、2021年大会では2020年大会で外れたレースにプレエントリーしても抽選チケットは有効です(例えばCCC®︎で外れた結果得た追加の抽選チケットを翌年のUTMB®︎の抽選で使える)。さらに、「By UTMB®︎」やUTWTのレース完走で得られるランニングストーン一個を抽選チケット一枚に引き換えて、抽選チケットの数を増やすこともできます。しかし、2021年大会の抽選で再び外れても、2022年大会での追加チケット1枚が得られるだけでこれまでのように「二回抽選外れの優先エントリー」の特典は得られません。
    • 2019年大会に続いて2回目の抽選外れの場合:2021年大会では抽選なしで優先エントリーが可能に。ただし、2019年大会、2020年大会にエントリーしたのと同じレースにエントリーし、2021年大会のエントリー資格を満たすことが条件です。上記のように、この「二回抽選外れの優先エントリー」は2021年大会が最後となります。

プレエントリーに必要なポイント数

各レースのエントリーにはUTMB Mont-Blancの大会サイトにあるリストに掲載されたポイントが認められるレースを完走していて、合計のポイントがそれぞれ以下の基準を満たしている必要があります。必要なポイント数は今年4月に発表されたランニングストーン導入などのエントリー制度改革により、大幅に引き下げられます。

  • UTMB®:2018年1月1日〜2019年12月31日*に2つ以内のレースで10ポイント(3つ以内のレースで15ポイントから変更)。
  • CCC®:2018年1月1日〜2019年12月31日*に2つ以内のレースで6ポイント(2つ以内のレースで8ポイントから変更)。
  • TDS®:2018年1月1日〜2019年12月31日*に2つ以内のレースで8ポイント(変更なし)。
  • OCC:2018年1月1日〜2019年12月31日*に2つ以内のレースで4ポイント(2つ以内のレースで6ポイントから変更)。
  • PTL®:参加希望者は他のレースと同様に大会ウェブサイトからプレエントリーを行ったのち、所定のフォームに参加希望のチームメンバーの氏名や山岳経験を記入して1月2日のプレエントリー締め切りまでに電子メールで送付。記入事項に基づいて大会の審査委員会がエントリー資格を満たしているか判定。資格を満たしたチームが定員を超えた場合にはその後抽選となります。なお、今回からチームの最低一人は英語、フランス語、イタリア語のいずれかに堪能であることが求められます。
  • MCC:必要なポイント数は設けられません。

*2017年に開催されたUTMB®、CCC®、TDS®、OCC、PTL®︎は資格レースとしてポイントの対象となります。

エリート・アスリートとチャリティの特別エントリー

  • エリート・エントリーITRAが公開している成績指数(Performance Index)で基準をクリアしている有力選手については、各レースのエントリー資格を満たしていれば抽選なしでエントリーが可能。男女別、CCC®︎、TDS®︎、OCCに共通の基準とUTMB®︎の基準、さらにエントリー料免除の有無でそれぞれに基準が設けられています。UTMB®︎への抽選およびエントリー料免除が男子で880点(昨年は870点)、女子760点(昨年は770点)、抽選のみ免除が男子790点(昨年は770点)、女子670点。CCC®︎、TDS®︎、OCCでは抽選およびエントリー料免除が男子で850点(昨年は830点)、女子730点、抽選のみ免除が男子750点(昨年は730点)、女子630点。基準となる成績指数については男子でいずれも引き上げられ、女子はUTMB®︎エントリー料免除が引き下げられたほかは据え置きです。申し込みは1月2日まで。
  • チャリティ・エントリー:大会側が指定する団体に2000ユーロ以上を個人で募金、または支援元の企業などから集めた場合には、エントリー資格を満たしていることを条件に抽選なしてエントリーが可能。すでに12月3日から16日の第一期募集が締め切られています。

ポイントが認められている日本の大会

2015年大会からUTMB Mont-Blancのエントリー資格が認められるレースは、それまでのUTMB大会事務局による勝手認定から、レースがITRAに申請して審査を受け、その結果に基づいてUTMBが資格レースとして認定するという仕組みになりました。日本のレースでは2018年開催分でみると国内で63の大会についてすでにポイントが認められています(同じタイミングで昨年は2018年開催分で54、一昨年は2017年開催分では35、その前年は2016年開催分で27の大会にポイントが認められていました)。

エントリー料

各レース、イベントのエントリー料は次の通りとなります。

  • UTMB® : 280ユーロ(前回は262ユーロ、前々回は250ユーロ、前々々回は235 ユーロ、前々々々回は219 ユーロ)
  • CCC® : 169ユーロ(前回は157ユーロ、前々回は150ユーロ、前々々回は143 ユーロ、前々々々回は136 ユーロ)
  • TDS® : 211ユーロ(前回は197ユーロ、前々回は170ユーロ、前々々回は158 ユーロ、前々々々回は150 ユーロ)
  • OCC : 95ユーロ(前回は87ユーロ、前々回は85ユーロ、前々々回は73 ユーロ、前々々々回は71 ユーロ)
  • PTL® : 1チームにつき1300ユーロ(前回は1200ユーロ、前々回は960ユーロ、前々々回は880 ユーロ、前々々々回は690 ユーロ)
  • MCC:ボランティア・46ユーロ(前回は41ユーロ)、地元自治体居住者およびパートナー関係者・69ユーロ(前回は62ユーロ)
  • YCC : 34ユーロ(前回、前々回、前々々回ともに30ユーロ)
[コロンビアモントレイル] トランスアルプスF.K.T.2 UTMB女性用 YL1024 ブラック/レッドコーラル 7H [コロンビアモントレイル] トランスアルプスF.K.T.2 UTMB女性用 YL1024 ブラック/レッドコーラル 7H [モントレイル] Columbia montrail(コロンビア トランスアルプスF.K.T.2UTMB男性用 YM0731 ブラック/ダークコンパス 7H [モントレイル] Columbia montrail(コロンビア トランスアルプスF.K.T.2UTMB男性用 YM0731 ブラック/ダークコンパス 7H

投稿 2020年のUTMB® Mont-Blanc 概要まとめ・プレエントリー受付中、必要なポイント数は引き下げられています。DogsorCaravan トレイルランニング・スカイランニングのオンラインメディア に最初に表示されました。

DC Weekly 2019年12月23日 –トヨタの森、いちご

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今週末は2019年最後の週末で大会が少なくなりますが、香港では二つの大会が行われます。本稿執筆時点ではエントリー可能な模様です。ちなみに現在受付中のUTMB®︎ Mont-Blancのエントリー資格に必要なポイントとして認められるのは12月31日までのレースの結果なので、この香港のレースでエントリー資格を満たすのもアリかもしれません。

国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーも2020年の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。

先週末のイベント

12月21日土曜日

いちごトレイルラン(20k)

千葉県・富津市。マザー牧場の5kmの周回コースで開催。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

12月22日日曜日

トヨタの森トレイルランレース(21k, 11k, 6k)

愛知県豊田市のフォレスタヒルズの周回コースで行われました。ロング21kmは勝田哲史が1時間42分、北島幸奈が2時間0分でそれぞれ優勝。ミドル11kmは堀田翔紀(51分36秒)、平野真里(1時間4分54秒)、ショート6kmは島田拓弥(25分46秒)、宮澤恵理(35分46秒)がそれぞれ優勝。4人チームの21kmのリレーや小学生、中学生のレースもあわせて行われました。リザルトはこちら

今週末開催のイベント

12月27日金曜日 – 29日日曜日

Golden 100(100マイル、100km)

香港、新界の北潭涌 Pak Tam Chungから元朗 Yuen Longへと向かうコースで100マイル 9,140mD+、100km 5,360mD+の二つのレースが行われます。

12月28日土曜日

The Hilly Grail(22km, 45km, 91km, 114km)

香港、ランタオ島。島の二つのピーク、ランタオピークとサンセットピークの間にある峠、Pak Kung Auを会場に22.8kmの8の字形の周回コースで開催。

前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyへ、皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。下のコメント欄もぜひご活用ください。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。

投稿 DC Weekly 2019年12月23日 – トヨタの森、いちごDogsorCaravan トレイルランニング・スカイランニングのオンラインメディア に最初に表示されました。


【お知らせ】「DogsorCaravan Award」を「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」に代えて発表します。

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「DogsorCaravan」では日本の「トレイルランニング」において特に賞賛に価するパフォーマンスをみせた選手を讃える「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」(Trail Runner of the Year in Japan)を2013年から昨年2018年まで6回にわたって選びました。

今年2019年については「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」に代えて「DogsorCaravan Award」(ドッグスオアキャラバン・アワード)を選ぶこととします。この変更にあわせて、選考の対象について当サイトが主に紹介している競技分野全体に広げることとします。すなわち、従来に加えてロードを含めたウルトラマラソンやマウンテンランニングが対象に加わります。

DogsorCaravan Awardの選考にあたってはインターネット上での投票は行わず、当サイトの編集人、岩佐幸一が独りでその責に当たります。

2019年DogsorCaravan Awardは、12月31日(火)に当サイトの記事として発表します。

以下、今年のDogsorCaravan Awardへの変更にあたっての趣旨を説明します。


名称と実体の差からくる違和感を解消

当サイトを現在の形で運営するようになってまもなく、一年を振り返る企画にわかりやすい名前を選んだ結果が「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」でした。以来、このスポーツに関わりの深い方々にアンケートを行ったり、信頼できる友人の皆さんと率直な意見を交えて相談したり、候補者としてノミネートした選手の皆さんについてインターネット上で広く読者の皆さんから投票していただくなどの取り組みをしてきました。ただ、それらを参考にしつつも最後は当サイトの岩佐の判断により受賞者を選考してきました。

年を追うにつれてこの企画について関心を持ってくださる方が増え、選考対象となる選手の皆さんからはこの企画が励みになるといううれしいお話を聞く機会もありました。しかし、そうして注目が集まるにつれて読者や選手の皆さまが「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」という名前から期待されることに、この企画が応えられていないと感じることが増えました。

第一に「トレイルランニング」を対象とするというとき、その言葉の意味はITRAによる定義と同様に広く考えてきましたが、最近ではそれが適切でないというご指摘を受けることがあります。

第二にトレイルランニングというスポーツの認知度が高まるにつれて「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」という言葉の持つ重みもそれだけ増してきます。当サイトのような小さなメディアが最後は一人で選んでいる賞の名称としては、身の程を超えて大げさすぎる、といわれても仕方ありません。この賞をよりしっかりした体制の元で運営することで僭称の謗りを拭うこともできるかもしれませんが、その主宰者となることは当サイトにとっていささか荷が勝つのが実情です。

近年感ずる企画の名称と実体のこのような落差を解消するため、名称を「DogsorCaravan Award」(ドッグスオアキャラバン・アワード)に改めることとします。

異なる各分野のパフォーマンスの素晴らしさをあえて比較する、という趣旨から選考対象を拡大

「トレイルランニング」という言葉から連想される競技は今や一つではなく、選手もそれぞれ軸とする分野を中心にして活躍することが多くなりました。スカイランニング、トレイルランニング、100kmや100マイルのウルトラトレイル、バーティカルキロメーターなどなど。日本ではまだあまり知られていないマウンテンランニングもこれからここに加わるでしょう。ロードのウルトラマラソンについては「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」では対象としていませんでしたが、距離という点でウルトラトレイルと共通しているところがあり当サイトでは随時話題を紹介しています。

選手のパフォーマンスの比較は客観的である必要がある、とするなら分野の異なる競技の結果を比較することはできないでしょう。しかし、当サイトが日頃ご紹介しているレースなどの結果をみていると、主観的ではあるが異なる分野の結果を見比べて注目すべき結果を挙げることもできると考えます。

「DogsorCaravan Award」(ドッグスオアキャラバン・アワード)では異なる分野の中から最も優れたパフォーマンスをみせた選手を選ぶ、という趣旨を改めて確認します。さらに「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」の名称を返上するのを機に、選考の対象を当サイトが関心を持って紹介している競技の各分野全体とします。これにより、ロードのウルトラマラソンが対象に加わります。

読者投票は行わず、パフォーマンスに基づいて選ぶことを明確に

「DogsorCaravan Award」を選ぶにあたっては、その1年間のレースなどで日本を拠点に活動した選手で、各地の大会などで最も優れたパフォーマンスをみせた選手を選びます。タイム、順位、レースの内容といった要素に注目しますが、世界選手権、日本選手権、シリーズ戦などの目立ったタイトルのかかる大会だけでなく、幅広い大会やFTKでの結果も勘案します。この選考基準については「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」から変わりません。

これまで「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」では、読者の皆さんにこの選考基準を共有した上で一緒に一年を振り返る機会としてインターネット上の投票の機会を設けてきました。ただ、この投票が必ずしも意図した通りには機能していないのではないか、というご意見を聞く機会が増えていました。このため、今回は読者の皆さんによる投票は行わないこととします。


年の瀬が迫る中での恒例企画の大幅な変更となり、楽しみにしていただいている読者の皆さまには申し訳ありません。大晦日に発表する今年のDogsorCaravan Awardをどうぞお楽しみに。

参考・これまでの「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」(Trail Runner of the Year in Japan)

  • 2013年:原良和さん、大石由美子さんが本賞、山ノ内はるかさん、宮原徹さん、神流町のうめこさんが特別賞を受賞(ノミネート受賞者発表
  • 2014年:上田瑠偉さん、大石由美子さんが本賞、西田由香里さん、星野由香理さん、松本大さん、望月将悟さんが特別賞を受賞。貢献に対する特別賞は相馬剛およびFuji Trailheadさん(ノミネート受賞者発表
  • 2015年:土井陵さん、丹羽薫さんが本賞、星野由香理さん、宮崎喜実乃さん、松本大さん、小原将寿さんが特別賞を受賞。貢献に対する特別賞はパワースポーツ・滝川次郎さん(ノミネート受賞者発表
  • 2016年:大杉哲也さん、吉住友里さんが本賞、高村貴子さん、丹羽薫さん、上田瑠偉さん、川崎雄哉さんが特別賞(ノミネート受賞者発表
  • 2017年:上田瑠偉さん、丹羽薫さんが本賞、高村貴子さん、吉住友里さん、小川壮太さん、三浦裕一さんが特別賞を受賞(ノミネート受賞者発表
  • 2018年:三浦裕一さん、高村貴子さんが本賞、吉住友里さん、立石ゆう子さん、荒木宏太さん、城武雅さんが特別賞を受賞(ノミネート受賞者発表

投稿 【お知らせ】「DogsorCaravan Award」を「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」に代えて発表します。DogsorCaravan トレイルランニング・スカイランニングのオンラインメディア に最初に表示されました。

受賞者発表・「DogsorCaravan Award 2019」

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当サイト・DogsorCaravanが関心を持ってフォローしているトレイルランニング、スカイランニング、ウルトラマラソンにおいて、日本を拠点に活動するアスリートでその年にもっとも賞賛に値するパフォーマンスを示した人を「DogsorCaravan Award」(ドッグスオアキャラバン・アワード)として選びます。

これまで当サイトが主催してきた「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー Trail Runner of the Year in Japan」(TROYJ)に代わる賞となり、対象にウルトラマラソンを加えたこと、読者投票を行わず当サイト編集人の岩佐が独りで選考に当たることを明確にしたこと、が異なります。

【お知らせ】「DogsorCaravan Award」を「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」に代えて発表します。

2019.12.27

DogsorCaravan Award・本賞

女性の部・吉住友里 Yuri Yoshizumi

今年最もめざましい成績を挙げた女性アスリートには吉住友里 Yuri Yoshizumiさんを選びました。すでに日本のスカイランニング、トレイルランニングの世界でトップ選手として知られるようになって久しい吉住さんですが、今年はUTMB®︎ Mont-Blancの56kmのレース、OCCで3位となる快挙を見せてくれました。さらに世界の頂点を極めようと取り組み続けているバーティカルキロメーターでは世界シリーズ戦(Vertical Kilometer World Circuit)では、粟ケ岳2位、Olympus2位などで年間ランキング2位に。さらにトレイル世界選手権(ポルトガル)では16位となりました。国内でもバーティカルキロメーターではジャパンシリーズ、日本選手権を制し、富士登山競走では4回目の優勝を果たしています(2016年五合目、2017年山頂、2018年山頂、2019年山頂<五合目打ち切り>)。吉住さんは「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」では2016年に本賞、2017年と2018年は特別賞を受賞しています。

吉住友里 Yuri Yoshizumiさん(2019年トレイル世界選手権)

  • 今年の主なリザルト・吉住友里 Yuri Yoshizumi
    • OCC・3位
    • 粟ヶ岳VK・2位
    • Olympus Marathon VK・2位
    • Marathon Transvulcania・優勝
    • トレイル世界選手権(ポルトガル)・16位
    • 富士登山競走山頂コース(五合目打ち切り)・優勝
    • 大紀町シーサイドトレイル・優勝
    • OSJ奄美50k・優勝
    • 善光寺ラウンドトレイル・2位
    • 上田VK・優勝
    • 経ヶ岳VL・2位
    • 志賀高原マウンテントレイル・優勝
    • モントレイル黒姫・優勝
    • 野沢トレイルフェス27k・優勝
    • 武田の杜・優勝
    • 四国中央VK・優勝
    • びわ湖VK・優勝
    • 烏帽子VK・優勝

受賞インタビュー・吉住友里 Yuri Yoshizumiさん

ー 秋にはケガをされたりしたこともありましたが、結果としては素晴らしい1年でしたね。

「今年はいろいろな経験をさせてもらいました。バーティカルキロメーター・ワールドサーキットについては、(ポイントがカウントされる)年間に5つのレースに必ず出るとは決めていませんでした。春の粟ヶ岳、夏のOlympus(ギリシャ)で2位になり、これはやるしかない、と秋まで挑戦を続けることを決めました。ヨーロッパのレースではシリーズ戦でいつも上位の選手だけでなく、それぞれの大会の地元に強い選手がいたりして、改めて選手層の厚さを実感しました。」

ー 今年10月からは富士吉田に移住されたと聞きました。

「ここ何年か、夏の間は富士山の山麓を拠点にしてトレーニングしていました。練習の環境が素晴らしいのはもちろん、地元の皆さんに親切にしていただいて、ここに住みたいと思うようになりました。引っ越しをしてから2ヶ月になりますが、レースだったりトレーニングだったりで出かけてばかりです。それでも、あの富士山の麓に自分の家がある、と思うと気持ちが落ち着きます。」

ー 来年の目標を聞かせてください。

「来年はナショナルチームのメンバーとしてスカイランニング世界選手権(7月)に参加して、日本チームとしてメダルを目指します。富士吉田でも何か自分の得意なことを生かして地元を盛り上げるために役に立てたらいいな、と考えています。」

男性の部・上田瑠偉 Ruy Ueda

DogsorCaravan Award・本賞には上田瑠偉 Ruy Uedaさんを選びました。今シーズンの上田さんは今年からカテゴリーが一本化されたスカイランナー・ワールドシリーズで実力を発揮。日本での開幕戦、粟ヶ岳スカイレースでの勝利の後は欧州で転戦し、距離やコースの特性が異なるレースに挑み続けました。最終戦となるLimoneでは最終盤まで勝負を持ち込んでの劇的な勝利を勝ち取って、年間シリーズチャンピオンとなりました。同シリーズを日本人選手が制したのは初めて。改めて世界的なトップ選手としてその存在を知られることになりました。このほかにも国内ではOSJ新城32k、日光マウンテンマラソンなどで優勝。7月には富士登山競走に初めて挑戦し、五合目打ち切りとなったレースで2位となっています。上田さんは「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」では2014年、2017年に本賞、2016年に特別賞を受賞しています。

上田瑠偉 Ruy Uedaさん(ワールドシリーズ最終戦) Photo by © Sho Fujimaki

  • 今年の主なリザルト・上田瑠偉 Ruy Ueda
    • OSJ新城32k・優勝
    • 粟ヶ岳SKY・優勝
    • RedBull 400札幌・優勝
    • 戸隠マウンテントレイル・優勝
    • Livigno・優勝
    • 中央アルプス・優勝
    • BUFF® Epic Trail・4位
    • Royal Ultra SkyMarathon Gran Paradiso・3位
    • Ultra Pirineu・4位
    • Limone・優勝
    • 日光マウンテンマラソン・優勝
    • 富士登山競走・2位
    • びわ湖VK・優勝
    • びわ湖SKY・優勝

受賞インタビュー・上田瑠偉 Ruy Uedaさん

ー トレイルランニング、スカイランニングのプリンスとして有名な上田さんですが、今年のレースでの粘り強さ、シーズンを通じての安定感はさらにレベルが一段上がったと感じます。

「どうでしょうか。ワールドシリーズは目標にしてきましたから優勝は当然うれしいのですが、来年もまた同じようなパフォーマンスをみせることができるかどうかはわかりません。あれはまぐれだった、ということにならないようにしたいですね。昨年2018年に比べてケガが少なかったのはよかったですが、特段トレーニングを変えたわけではありません。今年はうまく行き過ぎたシーズンで、来年はこんなにうまくいかないだろうと思います。」

ー 来年2020年には、いよいよフランスに住んでアスリート活動に打ち込むことになりますね。

「大きく環境が変わりますから、たぶん最初は同じようにアスリートとしての力を発揮するのは難しいんじゃないかと覚悟してます。ただ、目の前のいいこと悪いこと、全ての経験は将来に向けてのプラスになる、自分が化けるための糧になるに違いないと思っています。今年は世界チャンピオンになれましたが、そこで満足して停滞してはいけない、例え結果が出なくても新しい環境で挑戦を続けたい。アスリートとして、さらに人間として成長したいと考えています。」

ー アスリートとしての来年の目標を聞かせてください。

「今年の世界シリーズ年間チャンピオンとして、スカイランナー・ワールドシリーズやスカイランニング世界選手権に挑戦します。それ以外にも欧州の魅力あるレースには出たいと思っています。例えば、Zegama、Dolomyths Run、Sierra Zinalは走りたいですね。」

特別賞

女性の部(順不同)

本賞の吉住友里さんと並んで今年、素晴らしい成績を挙げたアスリートとして5名を選びました。

高村貴子 Takako Takamuraさん(Madeira Sky Race)Photo by MIGU RUN Skyrunner World Series

昨年の「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」本賞の高村貴子 Takako Takamuraさんは今年も精力的に国内外のレースに挑戦。スカイランナー・ワールドシリーズでは粟ケ岳3位、Royal Ultra Sky Marathonで7位、Comapedrosaで8位、 Matterhorn Ultraksで8位、Limoneで10位。国内でも7月の北丹沢での2位や上州武尊山スカイビュー30で男女総合4位での優勝が印象的でした。

その北丹沢で優勝したのは立石ゆう子 Yuko Tateishiさん。高村さんが優勝した上州武尊山スカイビュー30では2位。スカイランニング日本選手権となった志賀高原エクストリーム54kでは2位に。立石さんは昨年の「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」の特別賞でした。

星野由香理 Yukari Hoshinoさんはその志賀高原エクストリーム54kで優勝。来年はスカイランニング世界選手権に焦点を合わせます。今年はTDS®︎で13位、UTMFでは7位となっています。2014年、2015年の「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」の特別賞受賞者です。

今年春のUTMFで浅原かおり Kaori Asaharaさんは前回に続いての女子3位で表彰台に立ちました。このほかにもOSJおんたけ100kや甲州アルプスオートルートチャレンジ67kで優勝しています。

藤澤舞 Mai Fujisawaさん(サロマ湖100km)

ウルトラマラソンからは藤澤舞 Mai Fujisawaさんを特別賞に選ばせていただきます。昨年2018年は100km世界選手権で3位となった藤澤さんですが、今年は自己ベストのタイムでサロマ湖100kmを連覇。秋に行われた100kmアジア・オセアニア選手権で優勝しています。

男性の部(順不同)

男性では4人の選手を特別賞とさせていただきます。

石川佳彦 Yoshihiko Ishikawaさん(2018年Spartathlon)

ウルトラマラソンとスカイランニングの成績を比較することは難しいですが、超長距離ウルトラマラソンランナー、石川佳彦 Yoshihiko Ishikawaさんの今年のパフォーマンスは本賞の上田瑠偉さんと甲乙付けがたい素晴らしさでした。アメリカ・カリフォルニア州の灼熱の217km、Badwater 135を大会新記録で優勝。さらに東呉大学(Soochow University)で開催の24時間走では世界歴代4位の279.427kmを記録。200kmを超えるウルトラマラソンで世界の第一人者として注目を集めています。

小原将寿 Masatoshi Obaraさんは今年のUTMFで海外のトップ選手に続く4位となったことが話題になりましたが、その後のUTMB®︎では8位となって表彰台に立つ快挙を見せてくれました。2009年に鏑木毅(3位)、横山峰弘(6位)、山本健一(8位)の皆さんが表彰台に立ってから10年。続く世代の小原さんがUTMB®︎で8位となったことは日本のトレイルランニングの歴史に刻まれました。

ウルトラトレイルの分野では小原さんの活躍の影に隠れたかもしれませんが、大瀬和文 Kazufumi Oseさんのとりわけシーズン前半のパフォーマンスは素晴らしいものでした。2月の香港で行われた9 Dragons Ultraではジュリアン・ショリエを、3月のTranslantauではアントワーヌ・ギュイヨンを破って優勝。4月のUTWTシリーズ戦の100 miles of Istriaで優勝。「DogsorCaravan Award」の趣旨からは大瀬さんは特別賞として評価されるべきと考えました。

喜多村久 Hisashi Kitamuraさん Photo courtesy of Asia Trail Master

最近、トレイルランニングの人気が高まっている東南アジアについて、当サイトではAsia Trail Masterのニュースを通じてお伝えしています。その中で今シーズン話題の人となったのがマレーシア在住の喜多村久 Hisashi Kitamuraさん。今シーズンはAsia Trail Masterの11のレースで上位に入り続けて年間ランキング2位となりました。その中には12月のIzu Trail Journeyでの10位も含まれています。無論、相対的にみた東南アジアのレースの競技レベルはまだ世界と差がありますが、年間を通じて挑戦を続けたその成果について特別賞とさせていただきます。

2019年の注目選手

今回の「DogsorCaravan Award」を選ぶにあたって、各地で活躍した450人以上の選手の皆さんについて振り返りました。その中で注目すべきと考えた方々をここで紹介します。

女性の部(順不同)

  • 兼松藍子 Aiko Kanematsu: IAU24時間走世界選手権で6位、 富士五湖100k優勝
  • 秋山穂乃果 Honoka Akiyama: 千羽海崖トレイルランニングレース、OSJ新城32kで優勝、上田SKYで2位。
  • 枝元香菜子 Kanako Edamoto: TransJeju優勝、菅平スカイライン50k優勝、上州武尊山スカイビュー140で2位。
  • 丹羽薫 Kaori Niwa: トル・デ・ジアンで5位、Oman by UTMB®︎ 170kで優勝、Andorra Ultra Trail Euforiaで男女ペアトップ
  • 大石由美子 Yumiko Oishi: 上州武尊山スカイビュー140で優勝。OSJ新城64k、奥三河、道志村、甲州アルプス67kで優勝。

男性の部(順不同)

  • 横内佑太朗 Yutaro Yokouchi: OSJ奄美50k、OSJおんたけ100kで優勝。ハセツネ30K、ロッキンベア黒姫42k、ITJで2位。
  • 黒河輝信 Terunobu Kurokawa: Aso Round Trail 120k、上州武尊山スカイビュー140で優勝。
  • 町田知宏 Tomohiro Machida: スパトレイル56k、トレニックワールド外秩父50kで優勝。石岡51kで3位、OSJ真昼山地で2位、志賀高原エクストリーム58kで4位。
  • 近江竜之介 Ryunosuke Ohmi: 中央アルプススカイラインジャパンで2位、志賀高原エクストリーム32kで3位、四国中央VKで優勝。
  • 風見尚 Nao Kazami: Comrades Marathon(南アフリカ)で3位。
  • 西村広和 Hirokazu Nishimura: スパトレイル72k、信越五岳110k、Madarao50k、ITJで優勝。
  • 近藤敬仁 Yoshihito Kondo: 上田SKY、北丹沢、経ヶ岳、甲州アルプス67kで優勝。志賀高原エクストリーム32kで2位。

2020年もDogsorCaravanをどうぞよろしくお願いいたします。

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DC Weekly 2020年1月7日 – Ultra-Trail Tai Mo Shan

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今年もDogsorCaravanが毎週の各地の大会の結果や予定をご紹介するコラム、DC Weeklyをお届けします。どうぞよろしくお願いします。

国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーでは今年の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。

(写真・Ultra-Trail Tai Mo Shanの162kmで優勝の野本浩礼 Nomoto Hironori。Photo courtesy of Ultra-Trail Tai Mo Shan)

ニュース

2020年のスカイランニング日本選手権日本スカイランニング協会のウェブサイトにも次の日程が掲載されました。大会は10月の尾瀬岩鞍と志賀高原エクストリームに設定されています。それぞれの日本選手権は2021年のアジア選手権(VK、SKY、ULTRA)、ユース世界選手権(VK)の代表選考会ともなります。

先週末のイベント

1月4日土曜日 – 5日日曜日

Ultra-Trail Tai Mo Shan (162k, 115k, 50k)

香港・ニューテリトリーのフォータン Fo Tan 火炭をメイン会場に開催。162km 9,032mD+の「UTMT」では野本浩礼 Nomoto Hironoriが24時間3分、夏目泰子 Natsume Yasukoが28時間55分でそれぞれ優勝。172人がスタートして完走したのは88人(43%)となりました。115kmのTTFはマリー・マクノートン Marie McNaughton(ニュージーランド、香港在住)が16時間3分で男女総合で優勝。女子2位のキミー・レオン Kimmy Leung(中国香港)と男子優勝のフー・チンピン Fu Chin Pingが18時間46分のタイでフィニッシュしています。50kmのYTFではゲディミナス・グリニウス Gediminas Grinius(リトアニア)が6時間12分で優勝。8分差で松永紘明 Hiroaki Matsunagaが2位でした。女子はラン・ライポー Lam Lai Poが9時間17分で優勝しています。リザルト(速報)はこちら。

今週末開催のイベント

1月11日土曜日 – 12日日曜日

Bandera Endurance Trail Run (100k, 50k, 25k)

アメリカ・テキサス州で開催の100kmのトレイルランニングレースはウェスタン・ステイツへの出場権を得られるGolden Ticket Raceの第1戦。

1月12日日曜日 – 19日日曜日

Montane Spine Race (426km)

イギリス・イングランドを南北に背骨のように貫くロングトレイル、Pennine Wayをコースを厳冬の中、北から南へと縦走するイベント。426km 16,230mD+のコースには途中には温かい食事や補給ができるチェックポイント5箇所とそのほかの小規模なチェックポイントが設けられますが、シングルステージのレースです。日本からも3人の選手がエントリーしています。スタートは12日日曜日午前8時で、通過状況速報はこちらから見ることができます。

前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyへ、皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。下のコメント欄もぜひご活用ください。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。

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日本からは331人が参加権を獲得・UTMB® Mont-Blanc 2020の抽選結果発表

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UTMB-2016-logo-Columbia過去と比べて最高の331人が日本から参加権を手にしました。

今年も2020年UTMB®︎ Mont-Blancの抽選結果が日本時間1月9日午後6時に発表され、日本からは全体で1,031人のエントリーのうち、331人が参加権を手にしました。2020年のUTMB® Mont-Blancは8月24日から30日にかけて開催されます。

年々増え続ける参加申し込みに対応するため、「ランニングストーン」の導入をはじめとする大幅なエントリー制度の改革が実施されるのは来年2021年大会から。今回の2020年大会のエントリーでは先行して改革の一部が実施されています。その結果、UTMB®︎、CCC®︎、OCCではエントリー資格として必要なポイント数が引き下げられたため、日本からのプレエントリー者数は急増し、ついに1,000人を超えました。ただ、ポイント数が据え置かれたTDS®︎は昨年よりプレエントリー者数が減っています。

これに伴い、TDS®︎以外では抽選での当選率は大幅に下がり、UTMB®︎では22%、OCCでは7%という狭き門に。抽選による当選者数は昨年並みでしたが、100マイルのUTMB®︎では今回が最後となる「二年連続で落選したら翌年は抽選免除」という優先権を行使した人が増えた模様です。抽選直後の日本からの参加権獲得者数は全レース合計で331人に達し、当サイトが記録している2014年以来で(そしておそらく大会の歴史を通じても)最高となりました。

ちなみに中国(香港を除く)からは1,168人がプレエントリーしていて359人が出場権を獲得。内訳では170kmのUTMB®︎が113人(日本は204人)、PTL®︎が27人(日本は3人)となっています。

  • UTMB® – Consult registrations:抽選結果を伝える大会サイト。CountryでJapanを選ぶと日本からのエントリー者の一覧が見られる他、Nameから個別の名前で検索することもできる。Statuteの欄でAcceptedなら当選、Refusedは落選。Registeredは昨年までの落選による優先権を得て、または当選後にエントリー手続き完了済みであることを示しています(このほか有力選手など一部のエントリーについては抽選なしで参加権を得ています)。

来年からは「ランニングストーン」を初めとする新しいエントリー制度がスタートします。エントリー数はこれからも増えていくでしょうが、「by UTMB®︎」やUTWTのレースを完走して「ランニングストーン」を得れば、それが有効な4年間のどこかで抽選免除や抽選券の大幅追加でエントリー権は獲得しやすくなります。一方、そうして「ランニングストーン」を得る人が増えてくると、「ランニングストーン」を得ずに地元の大会だけでポイントを満たしてエントリーしても当選する確率はずっと低くなるかもしれません。

数字でみる抽選の結果

日本からのエントリー

以下に日本からのエントリー数について過去の実績とともにまとめました。日本からエントリーが決まった当サイト注目の有力選手は次の通り。

  • UTMB:丹羽薫、小原将寿、土井陵、大瀬和文、西村広和、小川壮太
  • CCC:三浦裕一
  • TDS®︎:杉本愉、星野由香理、松永紘明、リチャード・コフラン、鈴木博子
  • OCC:上田瑠偉、吉住友里

UTMB(全体の定員2300人)

  • エントリー数 718人<うち55人は昨年までの落選またはエリート選手として優先権あり>(2019年470人、2018年281人、2017年288人、2016年284人、2015年334人、2014年425人、2013年274人)
  • 抽選による当選者 149人<当選率 22.47%>(2019年135人<当選率 30.82%>、2018年104人<当選率 38.81%>、2017年117人<当選率 43.17%> 、2016年120人<当選率 45.80%>、2015年142人<当選率 44.10%>、2014年188人<当選率 44.24%>、2013年88人(当選率 40.7%)>

CCC(全体の定員1900人)

  • エントリー数 163人<うち9人は昨年までの落選またはエリート選手として優先権あり>(2019年112人、2018年121人、2017年144人、 2016年95人、2015年75人、2014年81人、2013年56人)
  • 抽選による当選者 31人<当選率 20.13%>(2019年35人<当選率 33.33%>、2018年58人<当選率 48.74%>、2017年77人<当選率 54.61%>、2016年57人<当選率 61.29%>、2015年54人<当選率 72.00%>、2014年49人<当選率 60.49%>、2013年32人(当選率 64.0%)>

TDS(全体の定員1600人)

  • エントリー数 62人<うち5人は昨年までの落選またはエリート選手として優先権あり>(2019年90人、2018年63人、2017年69人、2016年73人、2015年32人、2014年17人、2013年11人)
  • 抽選による当選者 48人<当選率 84.21%>(2019年49人<当選率 56.32%>、2018年41人<当選率 70.69%>、2017年53人<当選率 80.30%> 、2016年68人<当選率 93.15%>、2015年32人、2014年17人、2013年11人)

2015年までTDSはエントリー数が定員を超えなかったため抽選は行われませんでしたが、2016年からは抽選が行われています。

OCC(全体の定員1200人)

  • エントリー数 66人<うち9人は昨年までの落選またはエリート選手として優先権あり>(2019年53人、2018年62人、2017年50人、2016年28人、2015年23人、2014年23人)
  • 抽選による当選者 4人<当選率 7.02%>(2019年8人<当選率 17.02%>、2018年13人<当選率 21.31%>、2017年19人<当選率 38.78%>、2016年14人<当選率 50.50%>、2015年9人<当選率 39.13%>、2014年15人<当選率 65.22%>)

MCC

  • エントリー数 16人(UTMBのパートナー枠での申し込みのみで抽選はなし、2019年7人)

YCC

  • エントリー数 2人(抽選なし)

PTL(300kmの2ー3人一組のチームレース、全体の定員100チーム)

  • エントリー数 2チーム4人(2019年9チーム24人、2018年1チーム3人、2017年4チーム13人<うち1チーム1人は海外メンバーとのチーム>、2016年1チーム1人<海外メンバーとのチーム>、2015年4チーム11人、2014年4チーム11人、2013年2チーム6人)
  • 抽選による当選者 1チーム3人(2019年7チーム18人)

全レースの合計

  • エントリー数 1,031人(2019年756人、2018年531人、2017年564人、2016年481人、2015年475人、2014年557人、2013年347人)
  • 抽選直後の当選者、参加権者合計 331人(2019年300人、2018年241人、2017年303人、2016年285人、2015年260人、2014年280人、2013年201人)

過去と比較できる締め切り時点での全体のエントリー状況は次の通りです(今回の「2020年」についてのデータは大会より発表され次第追記します)。

  • UTMB:2014年226%→2015年218%→2016年193%→2017年198% →2018年228%→2019年340%
  • CCC:2014年174%→2015年142%→2016年145%→2017年182% →2018年196%→2019年363%
  • OCC:2014年164%→2015年255%→2016年164%→2017年239% →2018年370%→2019年508%
  • TDS:2014年88%→2015年83%→2016年106%→2017年118% →2018年138%→2019年223%
  • PTL:2018年102%→2019年・応募者数382人
  • MCC:2019年・73%(ボランティア、地元居住者および大会または大会パートナー経由の申込者のみエントリー可能)
  • YCC:2018年56%→2019年83%

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2020年マウンテンランニング・ワールドカップ Mountain Running World Cupは3つのカテゴリーの12レースで開催 #WMRA

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WMRA-logo世界マウンテンランニング協会(World Mountain Running Association)は今年2020年のシリーズ戦、「マウンテンランニング・ワールドカップ Mountain Running World Cup」の日程が発表しました。構成するレースは9つの大会の12のレース。一昨年の5レース、昨年の7レースから規模が拡大されたほか、3つのカテゴリーが導入された点にも注目です。

第三戦のBroken Arrow Skyrace(アメリカ)、第四戦のGrossglockner Berglauf(オーストリア)、第五戦のSierre-Zinal(スイス)は昨年に続いてラインナップされていますが、他はW杯初登場。カテゴリーは距離が20km前後未満の「クラシック Classic Mountain Race」、45km以下の「ロングディスタンス Long Distance Mountain Race」、そして登りを駆け上がる「バーティカル Vertical Uphill Race」の三つから構成されます。

このうち、バーティカルについては最近のマウンテンランニングのW杯、世界選手権では競技フォーマットとして見慣れない印象があります。WMRAによれば、協会設立直後の1985年9月にイタリアで開催された初めてのマウンテンランニング世界選手権では主に登りのみの14km 1,080mD+で「バーティカル Vertical Mountain Race」を開催。以後も世界選手権は登りのみのレースであったことも、登りと下りからなるレースであったこともあるようです。これが、今年は登りのみのレースが「バーティカル」という3つ目のカテゴリーとしてW杯に加わることになりました。

バーティカルといえば、近年ではスカイランニングの一つの競技とされる「バーティカル・キロメーター Vertical Kilometer」がよく知られています。競技のフォーマットとしてはマウンテンランニングもスカイランニングもよく似ているといえます。

ただ、今シーズンはバーティカル・キロメーターの世界シリーズ戦である「バーティカルキロメーター・ワールドサーキット Vertical Kilometer World Circuit」の開催が見送られます。これによってスカイランニングからバーティカル・キロメーターがなくなったわけではなく、スカイランニング世界選手権や各国の国内選手権ではバーティカル・キロメーターが開催されるほか、代わる世界シリーズ戦が今後発表されることもあるかもしれません。とはいうものの、山を駆け上がる競技としてはマウンテンランニングの「バーティカル」が注目を集める場面も今年は増えそうです。

なお、マウンテンランニングでは11月14-15日にスペイン・カナリア諸島で開催のHaria Extreme Lanzaroteにおいて今年の「マウンテンランニング世界選手権」を開催し、10km 700mD+の登りのみの「クラシック」、42km 1,900mの「ロングディスタンス」のレースが行われます。

2020年WMRAマウンテンランニング・ワールドカップ WMRA MOUNTAIN RUNNING WORLD CUP

  • 5月3日 Zumaia Flysch Trail Mendi Maratoia スペイン、バスク州スマイア
    • Long Distance: 42km 3,000mD+
    • Classic: 14km 425mD+
  • 5月16-17日 Trofeo Nasego イタリア、ロンバルディア州ブレシア県
    • Vertical: 4.2km 1,000mD+
    • Classic: 21.5km 1,336mD+
  • 6月21日 Broken Arrow Skyrace アメリカ、カリフォルニア州スコーバレー
    • Long Distance: 26km 1,700mD+
  • 7月12日 Grossglockner Berglauf オーストリア、ハイリゲンブラット=アム=グロースグロックナー
    • Classic: 13km 1265mD+ (uphill, no major downhill)
  • 8月9日 Sierre-Zinal スイス、バレー州シエール
    • Long Distance: 31km 2,200mD+
  • 8月16日 Krkonossky Half Marathon チェコ、フラデツ・クラーロヴェー州ヤーンスケー・ラーズニェ Janské Lázně
    • Classic: 21km 1,200mD+
  • 9月12-13日 Canfranc-Canfranc スペイン、アラゴン州カンフランク
    • Long Distance: 45km 3,910mD+
    • Classic: 16km 1,195mD+
  • 9月19日 Nordkette Vertical オーストリア、インスブルック
    • Vertical: 6km 1,400mD+
  • 10月4日 Kilometro Verticale Chiavenna-Lagunac イタリア、ロンバルディア州キアヴェンナ
    • Vertival: 3.298km 1,000mD+

 

投稿 2020年マウンテンランニング・ワールドカップ Mountain Running World Cupは3つのカテゴリーの12レースで開催 #WMRADogsorCaravan トレイルランニング・スカイランニングのオンラインメディア に最初に表示されました。

プレビュー・Vibram Hong Kong 100 Ultra Trail Race 2020

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今年もやっぱり世界のトレイルランニングの開幕は香港から。

今年のビブラム・ホンコン 100 ウルトラトレイルレース Vibram® Hong Kong 100 Ultra Trail® Race(HK100)は1月18日土曜日に103km 5,300mD+のコースで開催。2020年のUltra-Trail World Tourの開幕戦ともなっています。さらに今年の大会の新しい取り組みとして、前日の17日金曜日に103kmの前半部をコースとした「ハーフ」(56km 2,010mD+)のレースが新たに開催されます。

昨年6月以降、香港からは連日デモのニュースが伝えられるようになりました。揺れ動く情勢の中で香港のトレイルランニング大会には中止になったものもありましたが、多くの大会はランナーの皆さんの期待を受けて予定通り開催されています。HK100では状況を受けて、すでに参加権を得ていた選手についてもキャンセルを認めたりキャンセル分の追加エントリーを受け付ける、といった措置をとっていました。また、今年の大会は例年に比べると中国や香港以外からの参加者はやや少なく、日本からの参加も4割減となっている模様です。

政治や社会の動きにかかわらず、香港のトレイルやランナーのコミュニティは健在な様子。当サイトとしても何かの形で香港のトレイルランニングを応援していければと考えつつ、当サイトでは今年も18日土曜日午前8時にスタートするHK100を現地からレポートします。Twitterアカウント、@Dogsorcaravan に現地からの情報を投稿しますので、ぜひフォローしてご覧ください。

今年のHK100では昨年に続いて大会の模様を現地から伝えるライブ配信が予定されています。

有力選手紹介

女子 Women

ラグナ・デバッツ Ragna Debats

ラグナ・デバッツ Ragna Debats

シャン・フージャオ Xiang Fuzhao 向付召

シャン・フージャオ Xiang Fuzhao 向付召

ラグナ・デバッツ Ragna Debats(オランダ)は現在のトレイルランニング、スカイランニングの世界で最も活躍しているアスリートの一人です。家族とともに早めに香港入りしているデバッツが今シーズンの開幕を勝利で飾る可能性は高そうです。昨年はUTMB®︎ Mont Blancに初登場、CCC®︎で優勝。5月のTransvulcania、Royal Race Gran Paradiso、Pirin Ultraで優勝してスカイランナー・ワールドシリーズでは年間2位に。春にはMarathon des Sablesでも優勝と幅広い活躍を見せています。

一方、ラグナを迎える優勝候補の筆頭は、昨年のUTMFで圧勝したシャン・フージャオ Xiang Fuzhao 向付召(中国)。このHK100では2017年に4位となって以来、翌年は3位、昨年2019年は2位となり、HK100を通じて世界にその名前を知られる存在となりました。昨年は中国国内で精力的にレースに出て優勝しているほか、UTMB®︎にデビューして11位に。昨年末に香港で開催されたGolden 100kで男女総合優勝しており、調子はよさそうです。

ベロニカ・バドビチョワ Veronika Vadovicova

ベロニカ・バドビチョワ Veronika Vadovicova

アジアのトレイルランニング界を昨年賑わせたのはベロニカ・バドビチョワ Veronika Vadovicova(スロバキア)でした。上海在住中の2018年にトレイルにデビュー、昨年はAsia Trail MasterのCordillera Mountains 50k(フィリピン)、Sungai Menyala 50k(マレーシア)、Ultimate Tsaigu 80k(中国)、Vietnam Jungle Marathon 70k(ベトナム)で優勝。12月にはIzu Trail Journeyで優勝したのは日本のトレイルランニングファンにも記憶が新しいところでしょう。UTWTのレースには今回が初挑戦となりますが、活躍が期待されます。

さらに、昨年のこの大会で3位のヤン・ガンメイ Yang Guangmei 杨光梅(中国)、香港のベテランで昨年8位のインスエ・レオン Ying Suet Leung 梁影雪(香港)、同じく香港のトップ選手の一人でこの大会では2017年に3位、2018年に4位のマリー・マクノートン Marie Mcnaughton(ニュージーランド)にも注目。マクノートンは今年に入ってUltra-Trail Tai Mo Shan TFT 109kmで優勝しています。加えて海外勢では昨年のPenyagolosa MiM 59k5位のランディ・グレイリング Landie Greyling(南アフリカ)、昨年のL’infernal Trail des Vosges 120k優勝、年初のUltra-Trail Tai Mo Shan 160kで3位のクレア・バンワート Claire Bannwarth(フランス)もエントリーしています。

このほか、次の皆さんにも注目です。

  • チィ・シャンウェイ Qu Shangwei 瞿尚薇(中国): 2019年Xiaoxing 100 優勝
  • エスター・チーラグ Eszter Csillag(ハンガリー、香港在住): 2019年Trans Jeju 112kで2位。
  • まつもと・さやか Sayaka Matsumoto(日本、香港在住):2018年Oxfam Trailwalker Hong Kong総合6位、男女混合優勝。
  • ニコール・ラウ Nicole Lau(中国香港):2015年HK100で5位。
  • フー・フアロン Fu Huarong(中国):Ultra-Trail Ninghai 109kで3位。
  • チェン・ロンロン Chen Rongrong 陈蓉蓉(中国):2019年Morgan Ultra 70k優勝。

男子 Men

リャン・ジン Liang Jing

リャン・ジン Liang Jing

ジャン・ジェンロン Zhang Zhenlong

ジャン・ジェンロン Zhang Zhenlong

男子のレースには昨年2位のリャン・ジン Liang Jing 梁晶(中国)、3位のジャン・ジェンロン Zhang Zhenlong 张振龙(中国)が今年のHK100の優勝を狙います。2年前、2017年のHK100ではまだその名は香港では知られていませんでしたが、序盤から積極的にリードしてトップでフィニッシュしたものの失格となるというハプニング。昨年のHK100でも先頭集団でレースをリードし、2位でフィニッシュ。三度の目の今回、勝利を掴めるか。レースが練習というリャンは昨年も多くのレースで結果を残していますが、UTMFでグザビエ・テベナールと競り合って2位になったのが当サイトには印象的でした。ジャン・ジェンロンはリャンと同じ1990年生まれですが、トレイルのレースに出始めたのは2018年後半からのようです。しかし、その直後の昨年のHK100では終盤にかけて力強い展開で3位を勝ち取りました。その後のCCC®︎では9位となるなど経験を広げていて、今シーズンの活躍が楽しみな選手です。

昨年トップ3のリャン、ジャンに対して、アメリカのジャレド・ヘイズン Jared Hazenはスピードで上回る実力の持ち主です。2015年には19歳でWestern Statesで3位となり、昨年2019年にはあのジム・ウォームズレー に17分差で2位になって話題となりました。このほか2018年秋にはJFK 50、2019年春にはLake Sonoma 50で優勝。最近ますます好成績を挙げるようになっています。順当に行けば今回の優勝候補の最右翼だと言えるでしょう。一方、ペレ・オーレル Pere Aurell Bove(スペイン)は近年はスカイランニングのレースで活躍。2018年のTransvulcaniaで優勝、同年のTromso Skyraceで2位、Trofeo Kimaでは3位。こうしたテクニカルな山岳レースを得意とするオーレルにとって走れるパートも多いとされるHK100との相性は気になるところです。パートナーのラグナ・デバッツ とともに表彰台に立つ姿がみられるかもしれません。

デン・ゴーミン Deng Guomin

デン・ゴーミン Deng Guomin

年々、競技レベルが高まっている中国からは今回も多くの有力選手、多くは20代の若手が集まります。デン・ゴーミン Deng Guomin 邓国敏は昨年のHK100で4位。中国の有名レース、Ultimate Tsaigu 80kではヘイデン・ホークスに続いて2位、Lavaredo Ultra-Trailでは6位に。前回のHK100で8位のリー・ボー Li Bo 李波はその後も中国の40-60kmのレースで好結果を残しています。ルオ・カンファ Luo Canhua 罗灿华は2018年のGaoligong By UTMB®︎でゲディミナス・グリニウスに続いて2位。昨年は初挑戦のUTMB®︎を23時間21分で完走して11位でした。ユウ・ペイチャン You Peiquan 游培泉は昨年のUltimate Tsaigu 110kでルオ・カンファとほぼ同時のフィニッシュながら優勝を譲って2位。チャオ・ジァジィ Zhao Jiaju 赵家驹は昨年のUltimate Tsaigu 110kで3位、CCC®︎で11位。どの選手も今回のHK100でブレイクしても不思議はありません。

ウォン・ホーチュン Wong Ho Chung

ウォン・ホーチュン Wong Ho Chung

地元の香港からは昨年のUTMB®︎で6位となったウォン・ホーチュン Wong Ho Chung 黃浩聰が参戦します。HK100では2018年に8位、昨年10位で今年は表彰台でさらに上位を狙います。

カール・ヨハン・ソーマン Carl Johan Sörman

カール・ヨハン・ソーマン Carl Johan Sörman

中国以外からは昨年のUTMFで6位だったカール・ヨハン・ソーマン Carl Johan Sörman(スウェーデン、イタリア在住)。昨年は地元イタリアのレースで上位に入っていますが、国際的な大会ではLavaredo Ultra Trailで5位、CCC®︎で20位でした。ペッター・レストープ Petter Restorp(スウェーデン)は昨年の90km du Mont-Blancで4位。スマン・クルング Suman Kulung(ネパール)は昨年11月の186kmのステージレース、Everest Trail Raceで優勝。HK100では2018年に7位になっています。

奥宮俊祐 Shunsuke Okunomiya

奥宮俊祐 Shunsuke Okunomiya

日本勢では昨年のTrans Jeju 112k優勝やFormosa Ultra-Trail 100k 4位と東アジアのレースで活躍する野本浩礼 Hironori Nomotoも1月4日にUltra-Trail Tai Mo Shan 160kで優勝したばかりでHK100に参戦。そして2014年のHK100で7位の奥宮俊祐 Shunsuke Okunomiyaや日本のウルトラランニングのレジェンド、原良和 Yoshikazu Haraもエントリーしています。さらに木村隼人 Hayato Kimura福井哲也 Tetsuya Fukuiにも注目です。

このほか、次の皆さんにも注目です。

  • チャン・ジャオ Zhang Jiao 张交(中国):2019年Wuyuezhail Cross Country Challenge 50km優勝
  • シェ・ピン Xie Bin(中国):2018年Maxi-Race China, Jiangshan 100km優勝
  • キム・ジソブ Kim Jisub(韓国):2019年TNF100 Hong Kong 50k優勝
  • ジョン・エリス John Ellis(オーストラリア、香港在住):HK100で2018年に6位、2019年11位。
Hong Kong Trails (2017): Updated full version of the series of Hong Kong Trails (English Edition) Hong Kong Trails (2017): Updated full version of the series of Hong Kong Trails (English Edition)

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DC Weekly 2020年1月15日 – Bandera、Spine Race

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今週末は香港で開催されるHong Kong 100の模様を今年も現地からお伝えします。

国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーでは今年の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。

ニュース

2020年のスカイランナー・ジャパンシリーズ、スカイランニング地域選手権日本スカイランニング協会のウェブサイトで発表されています。まだ未定となっていたり詳細が発表されていない大会がありますが、中でも9月に蔵王スカイレース、蔵王バーティカルレースがラインナップされているのに注目。同名の大会は2017年にアジア選手権が開催された後、開催されていません。復活ということかもしれませんが詳細は明らかにされていません。

スカイランナー・ジャパンシリーズ(スカイシリーズ)

スカイランナー・ジャパンシリーズ(バーティカルキロメーターシリーズ)

スカイランニング地域選手権(北海道、関東、近畿、中四国のVKは後日発表、九州は本年度開催予定なし)

  • 東北選手権
    • 9月12日 VK ZAO SKYRUN(VK)(山形県、5.5km/+880mD)
    • 9月13日 SKY ZAO SKYRUN(SKY)(山形県、24km/±1800mD)
  • 北信越選手権
  • 東海選手権
  • 中四国選手権

スカイランニング日本選手権

先週末のイベント

1月11日土曜日 – 12日日曜日

Bandera Endurance Trail Run (100k, 50k, 25k)

アメリカ・テキサス州で開催の100kmのトレイルランニングレース。男子では終盤にレースをリードしたドリュー・ホルメン Drew Holmenが8時間13分で優勝。1分差でアレックス・ニコルス Alex Nicholsが2位に。二人がGolden Ticket Raceの第1戦のトップ2となり、ウェスタンステイツへの出場権を手にしました。3位はコール・ワトソン Cole Watsonで8時間18分。女子は昨年のウェスタンステイツ13位のアイルサ・マクドナルド Ailsa MacDonaldが9時間16分で優勝。9時間43分でミシェル・マガーナ Michelle Magagnaが2位になり、マクドナルドとともにウェスタンステイツへのチケットを手にしました。10時間42分でアーデン・ヤング Arden Youngが3位でした。リザルトはこちら

1月12日日曜日 – 19日日曜日

Montane Spine Race (426km)

イギリス・イングランドを南北に背骨のように貫くロングトレイル、Pennine Wayをコースを厳冬の中、北から南へと426km 16,230mD+を縦走するイベント。本稿執筆時点でスタートから69時間が経過しています。先頭を進んでいるのはBarkley Marathons完走者のジョン・ケリー John Kelly(アメリカ)で214.8マイル(345.7km)でリード。日本の朽見太朗 Taro Kuchimi田口稔 Minori Taguchiはそこから80kmほど後を続いています。女子はサブリナ・バージー Sabrina Verjee(イギリス)が189.6マイル(305km)で先頭を進んでいます。通過状況速報はこちらから。

今週末開催のイベント

1月16日木曜日 – 18日土曜日

Brazil 135

ブラジル・サンパウロ郊外のサンジョアン・ダ・ボア・ビスタをスタートするウルトラマラソンで、コースは最長253kmで60時間以内。

1月17日金曜日 – 18日土曜日

Vibram Hong Kong 100 (100k)

2020年Ultra-Trail World Tourの開幕戦。例年、世界のトップ選手と中国のアスリートが競い合う大会として注目されています。当サイトでは、今年のコースの変更点や有力選手を紹介するプレビュー記事を公開しています。金曜日には今回初開催の50kmのレースが行われます。土曜日の100kmは当サイトでも現地から速報をお届けします。

1月18日土曜日 – 19日日曜日

HURT100

ハワイ・ホノルルから近い3つのパートからなる周回コースを5周する100マイル。一昨年と昨年の3位だった藤岡正純 Masazumi Fujioka、昨年4位の井原知一 Tomokazu Iharaがエントリーしています。スタートは18日土曜日午前6時(日本時間20日日曜日午前1時)です。

1月18日土曜日

Long Haul 100

アメリカ・フロリダ州タンパ近郊で開催される100マイルのトレイルランニングレースで、大きな登り下りはない自然の遊歩道を使ったコースとなっています。

Tahura Trail (42k):

Asia_Trail_Master インドネシアのジャワ島西部のバンドンで開催されるトレイルランニングレースで今年もAsia Trail Masterの開幕戦です。

The Ultra Easy (100k)

ニュージーランド・ワナカで開催。100kmのコースの累積獲得高度は4,700mD+となっています。42kmや12kmのレースも行われます。

1月19日日曜日

Shodai Adventure Mountain 小岱山トレイルランニング(20k / 14k)

熊本県玉名市の蓮華院誕生寺(奥の院)を会場にして開催。

前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyへ、皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。下のコメント欄もぜひご活用ください。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。

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シャン・フージャオ、イウ・ペイチャンがともに好記録で優勝・2020 Vibram Hong Kong 100 Ultra Trail Race リザルト

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年始早々にHong Kong 100で中国の選手たちの活躍に目を見張るのは恒例のことになりました。それにしても今回のHong Kong 100でシャン・フージャオ Xiang Fuzhaoはますます強い選手として成長していることを示しました。男子ではイウ・ペイチャン You Peiquanが、世界に伍する力の持ち主として新たに世界のトレイルランニング・ファンに知られることとなりました。コースは距離・累積高度がともに昨年から増えましたが、男女ともに優勝タイムは昨年を上回ることになりました。

(写真・女子優勝のシャン・フージャオ Xiang Fuzhao。Photo by DogsorCaravan.com)

女子のレースでは昨年のこの大会で2位のシャン・フージャオ Xiang Fuzhao(中国)とアジアのトレイルレースでその才能を発揮するようになったベロニカ・バドビチョワ Veronika Vadovicova (スロバキア)、そしてトレイルランニング、スカイランニングの世界タイトルを手にして昨年はCCC®︎優勝のラグナ・デバッツ Ragna Debats (オランダ、スペイン在住)の3人がレースをリードしました。3人のペースを引っ張ったシャン・フージャオ Xiang Fuzhaoは後半に入って一気に2人の追走を振り切り、11時間28分でフィニッシュ。これは昨年の女子の優勝タイム(11時間43分、ルー・ヤンチュン Yangchun Lu)を15分上回り、2位だったシャン自身のタイムからは49分も縮めたことになります。2位には19分差でバドビチョワ、3位にはデバッツ が続きました。

男子では序盤からイウ・ペイチャン You Peiquan 游培泉が積極的にレースをリード。スタートから50kmを過ぎる頃には単独リードで後続との差をみるみる広げる快走ぶりをみせ、10時間0分でフィニッシュ。こちらも昨年の優勝タイム(10時間22分、シェン・ジアシェン Shen Jiasheng)を22分も上回る圧倒的なパワーを見せつけました。最近トレイルに再び取り組むようになったイウは中国国内のレースでは勝利を重ねていましたが、海外のトップ選手が集まる大会でそのレベルの高さを印象付けました。昨年2位だったリャン・ジン Liang Jing 梁晶が11分差で今回も2位でフィニッシュ。昨年4位のデン・ゴーミン Deng Guomin 邓国敏がトップ3に食い込みました。

男子優勝のイウ・ペイチャン You Peiquan 游培泉

レースの展開

1年を通じて温暖な香港の冬はトレイルランニングには最適な季節。今年も大会当日の1月18日土曜日の日中は曇り空で気温が上がりすぎることはなく、朝晩も冷え込みは穏やか。この恵まれたコンディションが、上位選手の好タイムと約80%という高い完走率につながりました。

今年のHK100のスタート

女子のレースはラグナ・デバッツ Ragna Debats シャン・フージャオ Xiang Fuzhaoベロニカ・バドビチョワ Veronika Vadovicova の3人がリード。51km地点のCP4(Yung Shue O 榕樹澳)では新コースとなった昨年、総合8位で女子優勝のルー・ヤンチュンが通過したタイムからわずか20秒ほど遅れてシャンとバドビチョワが通過、30秒差でデバッツが追います。しかしその後の山越えでシャンはバドビチョワを置いて単独リードへ。大勢のサポートクルーや応援の人たちで賑わうCP5 57km(Kei Ling Ha 企嶺下)で二人の差は5分半まで広がっていました。この時のシャンの通過タイムは昨年のルーを4分近く上回り、昨年の自身のタイムを23分も上回っていました。2位で続いたバドビチョワの背後、20秒差で3番手のデバッツが迫ります。

12km地点のラグナ・デバッツ Ragna Debatsとシャン・フージャオ Xiang Fuzhao。

コース後半はMa On Shan 馬鞍山をはじめとして急な階段での登り下りが次々に現れるタフなセクションが連続しますが、シャンのペースが落ちることはありません。そのままトップでフィニッシュして、2017年にHK100に初挑戦で4位となってから毎年一つずつ順位を上げてついに今回女子優勝。11時間28分というタイムは昨年のルーの優勝タイムを15分上回り、2位だった自身のタイムからは49分も縮めています。男女総合では8位という大記録。レース前には昨年以上に調子はいい、と話していたシャンですが、その言葉通りの見事なレースをみせました。

34km地点のシャン・フージャオ Xiang Fuzhaoとベロニカ・バドビチョワ Veronica Vadovicova。

2位争いはバドビチョワがデバッツの猛迫を退けました。優勝したシャンに19分差となる11時間47分でフィニッシュ。昨年からアジアのレースで活躍し、12月には日本のIzu Trail Journeyで優勝しているバドビチョワですが、UTWTのレースには初参戦。その力の高さを世界に示すことになりました。3位にはデバッツがシャンから25分半の差で続きました。

2位でフィニッシュしたベロニカ・バドビチョワ Veronica Vadovicova

3位のラグナ・デバッツ Ragna Debats。

スタートから最初の計測ポイントとなる12km地点(East Dam)までのほとんどは舗装路で、最近は100kmのトレイルレースとは思えない猛烈なスピードで選手がやってきます。今年ここへスタートから47分でやってきたのはリュウ・チャオイン Liu Zhaoying 刘照迎。昨年の上位集団よりもさらに1分速いハイペースでした。2分の差でイウ・ペイチャン You Peiquanリャン・ジン Liang Jingチャオ・ジァジィ Zhao Jiajuといった選手が続きます。リュウ・チャオインはその後も積極的にリードしますが、CP5 57kmに2番手で到着するとそこでリタリア。そのCP5にトップでやってきたのはイウ・ペイチャンでした。CP5への到着タイムは昨年、シャン・ジアシェンが優勝した際のトップ通過タイムを15分上回るハイペース。必死に追うリャン・ジンとの差は実に12分まで広がっていました。コース後半に入ってもイウ・ペイチャンの勢いが失せることはなく、着実に後続との差を広げて10時間0分17秒で優勝。同じコースでのシャン・ジアシェンの優勝タイムを21分以上上回り、距離で約7km、累積高度で500m弱が加わる前のコースで2018年にミン・チーが出した9時間28分36秒に劣らない好記録で勝利を手にしました。ウルトラマラソンの12時間走では141.038km(2014年Fuzhou)という自己ベストを持つイウ・ペイチャンですが、トレイルの国際的な大会を走るのは今回が初めて。33歳で世界にその名を轟かせることになりました。

この日男子優勝のイウ・ペイチャン You Peiquan。

2位になったのはリャン・ジン。イウ・ペイチャンとは33分差の10時間33分ですが、昨年2位となった時の自身のタイムを2分上回りました。一昨年はミン・チーを上回るタイムでフィニッシュしたものの痛恨の失格、昨年はコースをロストしながらの2位。昨年のUTMFでもグザビエ・テベナールと優勝争いの末に2位となって話題となったリャン・ジンが今回も2位となりました。3位には昨年4位だったデン・ゴーミン Deng Guominが10時間38分で続きました。4位は地元香港のウォン・ホーチュン Wong Ho Chung。昨年のUTMB®︎では後半に順位を上げる粘り強いレースで6位となりましたが、今回も後半に順位を上げるスマートなレースでした。5位にはアメリカのジャレド・ヘイズン Jared Hazen が入りました。昨年のウェスタンステイツで2位となった24歳が中国のトップ選手たち相手にどんな走りを見せるか注目されていました。途中で3番手まで順位を上げた場面もありましたが、胃腸の具合がよくなかった場面もあって5位に止まりました。6位にはこちらも後半に順位を上げたペター・レストープ Petter Restorp (スウェーデン)が続きました。

2位になったリャン・ジン Liang Jing。

3位のデン・ゴーミン Deng Guomin。

5位でフィニッシュしたジャレド・ヘイズン Jared Hazen。

日本勢では野本浩礼 Hironori Nomotoが男子13位、木村隼人 Hayato Kimuraが男子32位、奥宮俊祐 Shunsuke Okunomiyaが男子33位に。これまで三度、HK100に参加しながらもまだ完走していなかった、2013年UTMFチャンピオンの原良和 Yoshikazu Haraは男子43位で完走を果たしました。

日本勢でトップの野本浩礼 Hironori Nomoto。

男子33位の奥宮俊祐 Shunsuke Okunomiya。

今回、HK100を初めて完走した原良和 Yoshikazu Hara。

リザルト

リザルトはこちらから。

女子 Women

  1. シャン・フージャオ Xiang Fuzhao 向付召(TOREAD、中国) 11:28:21
  2. ベロニカ・バドビチョワ Veronika Vadovicova (スロバキア) 11:47:40
  3. ラグナ・デバッツ Ragna Debats (オランダ、スペイン在住) 12:03:52
  4. ランディ・グレイリング Landie Greyling (南アフリカ) 13:05:52
  5. チィ・シャンウェイ Qu Shangwei 瞿尚薇(Kailas、中国) 13:18:36
  6. エスター・チーラグ Eszter Csillag (ハンガリー、香港在住) 13:34:23
  7. マリー・マクノートン Marie McNaughton (ニュージーランド、香港在住)
  8. フー・フアロン Fu Huarong 华荣(中国) 13:42:39
  9. クレア・バンワート Claire Bannwarth (フランス) 13:46:17
  10. バレリー・ラガルド Valerie Lagarde (フランス、香港在住) 14:39:15

表彰式に勢揃いした女子トップ10の選手の皆さん

男子 Men

  1. イウ・ペイチャン You Peiquan 游培泉(Kailas、中国) 10:00:17
  2. リャン・ジン Liang Jing 梁晶(TOREAD、中国) 10:33:39
  3. デン・ゴーミン Deng Guomin 邓国敏(Salomon、中国) 10:38:24
  4. ウォン・ホーチュン Wong Ho Chung 黃浩聰(The North Face、中国香港) 10:48:25
  5. ジャレド・ヘイズン Jared Hazen (HOKA ONE ONE、アメリカ) 11:04:33
  6. ペター・レストープ Petter Restorp (La Sportiva、スウェーデン) 11:09:21
  7. チャオ・ジァジィ Zhao Jiaju 赵家驹(TOREAD、中国) 11:23:28
  8. チャン・ジャオ Zhang Jiao 张交(中国) 11:34:31
  9. カール・ヨハン・ソーマン Carl Johan Sörman (スウェーデン、イタリア在住) 11:39:50
  10. ギヨーム・ペロー Guillaume Perrot (フランス、香港在住) 11:46:04

(日本関係)

13野本浩礼 Hironori Nomoto 12:05:40
32木村隼人 Hayato Kimura 13:18:16
33奥宮俊祐 Shunsuke Okunomiya (adidas)13:27:29
43原良和 Yoshikazu Hara 13:52:51
101福井哲也 Tetsuya Fukui 15:30:53

男子トップ10の選手の皆さん

投稿 シャン・フージャオ、イウ・ペイチャンがともに好記録で優勝・2020 Vibram Hong Kong 100 Ultra Trail Race リザルトDogsorCaravan トレイルランニング・スカイランニングのオンラインメディア に最初に表示されました。

DC Weekly 2020年1月22日 – Hong Kong 100、HURT100、Tahura Trail、Spine Race

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先週末は香港からHong Kong 100の模様をお伝えしました。先週から開催されていいたイングランドの厳寒のロングトレイル。Spine Raceも閉幕。Asia Trail MasterはインドネシアのTahura Trailで開幕しました。

国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーでは今年の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。

先週末のイベント

1月12日日曜日 – 19日日曜日

Montane Spine Race (426km)

イギリス・イングランドのロングトレイル、Pennine Wayを北から南へと426km 16,230mD+を縦走するイベントは、男子ではBarkley Marathons完走者のジョン・ケリー John Kelly(アメリカ)が87時間53分の大会新記録でフィニッシュして優勝。女子はサブリナ・バージー Sabrina Verjee(イギリス)が 108時間7分で終始トップのままフィニッシュ。日本の朽見太朗 Taro Kuchimiは118時間12分で男子6位、田口稔 Minori Taguchiは124時間24分で男子10位でフィニッシュしています。リザルト速報はこちらから。

1月17日金曜日 – 18日土曜日

Vibram Hong Kong 100 (100k)

2020年Ultra-Trail World Tourの開幕戦。当サイトでは土曜日の100kmのレースの模様を現地からお伝えし、リザルト紹介記事を掲載しています。コンディションに恵まれたレースは今年もハイレベルなレースとなり、男子はイウ・ペイチャン You Peiquan、女子はシャン・フージャオ Xiang Fuzhaoとともに中国の選手が昨年の大会記録をいずれも大きく上回る好記録で優勝。シャン・フージャオは昨年のUTMFで優勝したことでも話題となりました。日本の選手では野本浩礼 Hironori Nomotoが男子13位となっています。前日の金曜日には今年初開催の50kmのレースが行われ、男子はゲディミナス・グリニウス Gediminas Grinius(リトアニア)が4時間54分、女子は菅谷里恵 Rie Sugaya(日本、シンガポール在住)が6時間5分でそれぞれ優勝しています。リザルトはこちら(100km, 50km)。UTWTの次の大会は2月8日開催のTarawera Ultramarathon(ニュージーランド)となります。

1月18日土曜日 – 19日日曜日

HURT100

ハワイ・ホノルルから近い3つのパートからなる周回コースを5周する100マイル。男子では昨年2位のトレバー・フックス Trevor Fuchsが昨年優勝のネイト・ジャクア Nate Jaquaを制して優勝。フックスは22時間4分、ジャクアは22時間37分でそれぞれフィニッシュしています。3位はブランドン・スタパノウィッチ Brandon Stapanowichで23時間28分。昨年4位の井原知一 Tomokazu Iharaは23時間57分で今年も4位に。5位に野田武志 Takeshi Noda(24時間54分)、9位に岩垂晋 Shin Iwatare(27時間5分)と日本からの参加選手が健闘しました。女子は昨年3位のアンナ・アルブレヒト Anna Albrechtが28時間55分で優勝。2位にデニス・ブーラッサ Denise Bourassa(32時間3分)、3位にスザンナ・ボン Suzanna Bon(32時間19分)。日本の内山みち子 Michiko Uchiyamaが32時間46分で4位でした。リザルトはこちら

1月18日土曜日

Long Haul 100

アメリカ・フロリダ州タンパ近郊で開催される100マイルのトレイルランニングレース。リザルトはこちら

Tahura Trail (42k):

Asia_Trail_Master インドネシアのジャワ島西部のバンドンで開催されるトレイルランニングレースで今年もAsia Trail Masterの開幕戦でした。レースは男女ともに香港在住のランナー、ジェフ・キャンベル Jeff Champbell(カナダ)とシャーロット・タケ Charlotte Taquet(フランス)が制しました。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。Asia Trail Masterの次の大会は香港で2月1日に開催の9 Dragons Ultra(50/50, 50k, 50m)です。

The Ultra Easy (100k)

ニュージーランド・ワナカで開催。100kmのコースの累積獲得高度は4,700mD+となっています。42kmや12kmのレースも行われました。リザルトはこちら

1月19日日曜日

Shodai Adventure Mountain 小岱山トレイルランニング(20k / 14k)

熊本県玉名市の蓮華院誕生寺(奥の院)を会場にして開催。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

今週末開催のイベント

1月25日土曜日 – 27日月曜日

Hong Kong Four Ultra Trails Challenge (298km)

香港の4つのロングトレイル(Maclehose、Wilson、Hong Kong、Lantau)をシングルステージで走り続けるというイベント。香港在住のウルトラランナー、アンドレ・ブルームバーグが始めたこのイベントも今年で9回目となります。計298km 14,500mD+を60時間で完走すれば「フィニッシャー」、75時間以内で完走すれば「サバイバー」の栄誉が与えられます。例年約30人が参加するスタートは春節初日の1月25日土曜日午前9時(日本時間同日午前10時)です。

1月25日土曜日

有度山トレイル三昧(9k, 5k)

静岡市日本平。土曜日に9kmと5kmのレースが行われる他、翌日の26日日曜日にはロゲイニングのレースも行われます。

伊平屋ヴィレッジトレイル(30k, 15k, 5k)

沖縄県伊平屋島。沖縄の最北端に位置する島の海と山、歴史に触れながら走るトレイルランニングレースとして今回が4回目の開催。

1月26日日曜日

千羽海崖トレイルランニングレース(37k, 13k)

徳島県海部郡美波町、牟岐町。太平洋に面した冬でも温暖な気候の中で開催される、海沿いのトレイル、海岸線をコースとした大会です。

前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyへ、皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。下のコメント欄もぜひご活用ください。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。

投稿 DC Weekly 2020年1月22日 – Hong Kong 100、HURT100、Tahura Trail、Spine RaceDogsorCaravan トレイルランニング・スカイランニングのオンラインメディア に最初に表示されました。

DC Weekly 2020年1月27日 – Hong Kong Four Ultra Trails Challenge、有度山、伊平屋、千羽海崖

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香港では4つのロングトレイル、計298kmを走破するチャレンジが最終盤に近づいています。一方、中国で感染者が急増し、日本にも感染者が出ている新型コロナウィルスは、中国や香港の大会にも影響をもたらしつつあります。

国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーでは今年の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。

(画像・Hong Kong Four Ultra Trails Challengeのコースマップ)

ニュース

Gaoligong by UTMB®︎、大会が延期に:先週から中国で新型コロナウィルスの感染が拡大していることが盛んに報道されていますが、トレイルランニングにも影響が及んできました。今年からUltra-Trail World Tourのレースともなっている中国・雲南省のガオリゴン Gaoligong by UTMB®︎は、参加者の安全と健康状態への影響を考慮して3月21日に予定されていた大会を延期することを発表しました。大会は2018年に「by UTMB®︎」の最初の大会として165km 9,500mD+のレースなどが開催され、第二回大会の開催が予定されていました。次回大会の開催時期については追って発表される予定です。大会のFacebookページはこちら

先週末のイベント

1月25日土曜日 – 27日月曜日

Hong Kong Four Ultra Trails Challenge (298km)

香港の4つのロングトレイル(Maclehose、Wilson、Hong Kong、Lantau)の計298km 14,500mD+をコースとして、シングルステージで走破するというチャレンジは今年で9回目。春節初日の1月25日土曜日午前9時(日本時間同日午前10時)に33人がスタートしました。「フィニッシャー」となる60時間は27日月曜日午後9時(日本時間同日午後10時)、「サバイバー」の75時間は28日火曜日正午(日本時間同日午後1時)となります。本稿執筆時点ではスタートから52時間が経過していますが、チャレンジを続けている17人の多くは最後のLantau Trailを進んでおり、先頭はNugo Yamanath Limbu(ネパール、香港在住)が残り20-30kmのコース上を進んでいる模様。Stephen Redfern(オーストラリア)、Abimanyu Shunmugam(シンガポール)が続いています。序盤をリードした日本の土井陵 Doi Takashiは他の上位4選手と一緒に昨日深夜にLantau Trailのスタート地点へのフェリーに乗り、現在は上位3人に続く四番手でコースを進んでいる模様。土井さんが60時間での完走を果たせるか、目が離せない展開です。GPSトラッカーによるリアルタイムでの速報はこちらから

1月25日土曜日

有度山トレイル三昧(9k, 5k)

静岡市日本平。土曜日に行われた9km(ロング)のトレイルランニングでは村田稔明大石由美子が男女それぞれの優勝でした。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

伊平屋ヴィレッジトレイル(30k, 15k, 5k)

沖縄の最北端に位置する伊平屋島で開催。30kmのレースの女子は諸見里綾が3時間48分で優勝。近藤祥子(4時間26分)、小嶋かつら(4時間42分)が2位、3位に。男子は成瀬康夫が2時間44分で優勝。2位は2時間53分で松尾憲、3位は3時間0分で塙翔太でした。リザルトはこちら

1月26日日曜日

千羽海崖トレイルランニングレース(37k, 13k)

徳島県海部郡美波町、牟岐町で開催。男子は高校生の近江竜之介 Ohmi Ryunosukeが後続に20分もの大差をつける3時間51分で優勝しました。2位には谷口公基 Taniguchi Koki(4時間11分)、3位に藤岡学 Manabu Fujioka(4時間17分)。女子は中平安耶 Nakahira Aya(5時間26分)、石川優子 Ishikawa Yuko(6時間3分)、山本庸子 Yoko Yamamoto(6時間5分)がトップ3に入りました。リザルトはこちら

今週末開催のイベント

1月31日金曜日 – 2月2日日曜日

The 9 Dragons Ultra (50m, 50k, 50/50)

Asia_Trail_Master 香港の九龍半島で開催。初日に50マイル、二日目に50kmのレースを走ってそのタイムの合計で順位を決める「50/50」とそれぞれのレースのみのタイムで競う「50マイル」、「50km」からなる大会は今回で4回目の開催。今年のAsia Trail Masterの第2戦です。新型コロナウィルスの感染範囲が拡大していることを受けて、香港では2月9日開催の香港マラソンが中止とされるなど大規模なイベントに影響が現れていますが、本稿執筆時点では9 Dragonsは大会を予定どおり開催するとしています。「50/50」には昨年優勝の大瀬和文 Ose KazufumiやAsia Trail Masterで昨年年間シリーズ2位の喜多村久 Kitamura Hisashiがエントリー。女子ではダーシー・ピセウ Darcy Piceu(アメリカ)、アンドレア・ヒューザー Andrea Huser(スイス)、マリー・マクノートン Marie McNaughton(ニュージーランド、香港在住)、ステファニー・ケース Stephanie Case(カナダ)と世界的に活躍する選手が集まっています。初日の50マイルにはATM昨年年間チャンピオンのジョン・エリス John Ellis水越友洋 Mizukoshi Tomohiroがエントリーしています。大会は今週末の2月1日金曜日の深夜、午後11時59分(日本時間2日土曜日午後12時59分)にスタートします。

2月1日土曜日 – 2月2日日曜日

Ultra Trilhos dos Abutres(55km, 30km, 20km)

ポルトガル中部のミランダ・ド・コルヴォ Miranda do Corvoで開催。昨年6月にトレイル世界選手権が開催されて注目を集めた大会が、いつもの冬に戻って開催されます。

Rocky Raccoon 100

アメリカ、テキサス州ハンツビルで開催の100マイルトレイルレース。20マイルを5周する比較的フラットなコースで開催されます。

Pilipinas Akyathlon (49k, 25k)

2月1日土曜日

大紀町シーサイドトレイル(23km, 11km)

三重県大紀町。北信濃トレイルフリークス(KTF)がプロデュースする大会は熊野灘に面した海岸と山をコースにしています。

The North Face 100 Thailand (100k, 75k, 50k, 25k, 15k)

タイ・バンコク近郊で開催のトレイルランニングレース。100kmのレースは50kmのコースを2周するコースで、標高差は最大で200mほどとなっています。

2月2日日曜日

イセエビCUP おんじゅくオーシャントレイル(16k, 5k)

千葉県・御宿で開催。温暖な海辺の町のコースは砂浜や浜辺の集落を通ります。ゲストに鏑木毅さん。

前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyへ、皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。下のコメント欄もぜひご活用ください。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。

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自然環境に配慮して飛行機の旅は最小限に。今年のキリアンは二つのレースと個人プロジェクトに集中。

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レースで活躍する姿を見る機会は少なくなりそうですが、キリアンが発信するメッセージにはますます注目が集まることになるかもしれません。

(写真・2019年、ヒマラヤでのキリアン。Photo by © Philipp Reiter)

トレイルランニングだけでなく、山岳スキーや各地の高山での最速登頂記録でも知られるのがキリアン・ジョネット Kilian Jornet。カタルーニャ出身の彼は、パートナーのエミリー・フォルスベリ Emelie Forsberg、そして昨年産まれた娘とともにノルウェーで暮らしています。そのキリアンの今年の予定についてプレスリリースが発表されました。

レースは3月のスキーマウンテニアリングのビッグイベント、ピエラ・メンタ Pierra Menta(フランス)と8月のトレイルランニングレース、パイクスピーク・アセント&マラソン Pikes Peak Ascent & Marathon(アメリカ)に絞り込むとのこと。キリアンはこれまでピエラ・メンタでは4回、パイクスピークではマラソンで2度、優勝しています。レースの他にはヒマラヤとノルウェーでのプロジェクトを予定。昨年公開されたノルウェーでのスキー滑降「Troll Wall」、自宅からスタートして山の中を168km、22,000mD+を56時間かけて走り続けた「A Long Day Out」に続くエピソードが今年も生まれることでしょう。さらに、自然環境に配慮してレースなどは大事なものに絞りこんで可能な限り飛行機の旅を避ける、としています。

キリアンは自然環境についての自身の向き合い方について次のようにコメントしています。

「山は私の生きる場所であり、遊び場でもあります。この山を未来に世代にそのまま残していきたい。山と自然を守るためにできる限りのことをすることが大切だと考えています。今年はレースや登山のための旅をするにあたってはこれまで以上に慎重に考えたいと思います。遠くに旅をする場合には、エミリーと一緒にやりたいことをできるだけまとめて、長期間の旅にします。そうすれば、飛行機で頻繁に移動を繰り返さずに済みます。可能な限り、飛行機よりも自動車や列車での旅を選びます。私たちにとって本当に大切なレースやプロジェクトは何か。そう自問して納得できる場合にだけ旅をするつもりです。」

10年以上、世界トップの山岳アスリートとして高みに立ち続けているキリアンは現在32歳。アスリートとしての力には全く衰えは見えませんが、これからどんなテーマに向き合い、どんなメッセージを我々に伝えてくれるのか。世界のファンの注目を集めることになるでしょう。

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DC Weekly 2020年2月3日 – Abutres、大紀町シーサイドトレイル、イセエビCUP おんじゅくオーシャントレイル

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急にかまびすしくなってきた新型コロナウィルスの話題。トレイルランニングでも中国や香港からは大会中止のニュースが入っており、しばらく東アジアを中心に影響が続きそうです。今週末はニュージーランドでUTWT第二戦、Tarawera Ultramarathonが開催され、日本からも有力選手が参加します。一方、当サイトの中の人は海外で久々にレースに挑戦します。そのレポートも後日お届けする予定です。

国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーでは今年の予定を随時アップデートしています。まだ掲載していない大会についての情報のご提供、掲載済みの大会についてのご指摘を歓迎いたします。


(写真・大紀町シーサイドトレイルのロング23km男子優勝の近江竜之介のフィニッシュ。Photo by © 計測工房)

先週末のイベント

1月31日金曜日 – 2月2日日曜日

(中止)The 9 Dragons Ultra (50m, 50k, 50/50)

Asia_Trail_Master 初日に50マイル、二日目に50kmのレースを走ってそのタイムの合計で順位を決めるというユニークなフォーマットの香港の人気大会ですが、新型コロナウィルスの感染範囲が拡大していることから大会直前の水曜日に大会は中止と発表されました。香港の管轄当局と話し合った末、大会を開催したとしても大会参加者の安全を確保することが難しい、との判断からの結論でした。報道されている通り、新型コロナウィルスをめぐる動きは日々変動しています。今後も開催可否の判断を今後迫られる大会が出てくるかもしれません。

2月1日土曜日 – 2月2日日曜日

Ultra Trilhos dos Abutres(55km, 30km, 20km)

ポルトガル中部のミランダ・ド・コルヴォ Miranda do Corvoで開催。昨年6月にトレイル世界選手権が開催されて注目を集めた大会です。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

Rocky Raccoon 100

アメリカ、テキサス州ハンツビルで開催の100マイルトレイルレース。20マイルを5周する比較的フラットなコースで開催されます。リザルトはこちら

Pilipinas Akyathlon (49k, 25k, 10k, VK)

フィリピンのウゴ山で開催される49km 3,500mD+などのレース。リザルトはこちら

2月1日土曜日

大紀町シーサイドトレイル(23km, 14km)

三重県大紀町。熊野灘に面した海岸と山をコースにするロング23km女子では吉住友里 Yoshizumi Yuriが3時間5分で昨年に続いて連覇。12分差の3時間17分で若林綾 Wakabayashi Ayaが2位、井筒智子 Izutsu Tomokoが3時間22分で3位に。男子は高校生の近江竜之介 Ohmi Ryunosukeが後続に5分半以上の差をつけて2時間18分で圧勝。近藤敬仁 Kondo Yoshihitoが2時間25分で2位、山口大河 Yamaguchi Taigaが2時間28分で3位でした。ショート14kmでは昨年のロング23km優勝の黒河輝信 Terunobu Kurokawaが1時間17分で男子優勝。女子は斉藤佳余 Saito Kayoが1時間58分で優勝しています。リザルトはこちら

大紀町シーサイドトレイルのスタート。Photo by © 計測工房

大紀町シーサイドトレイルのスタート。Photo by © 計測工房

2月2日日曜日

イセエビCUP おんじゅくオーシャントレイル(16k, 5k)

千葉県・御宿で開催。温暖な海辺の町のコースは砂浜や浜辺の集落を通ります。リザルトはこちら(公開され次第リンクします)。

今週末開催のイベント

2月8日土曜日

Tarawera Ultramarathon (100m, 102k, 87k, 62k)

ニュージーランドで開催。カウェラウをスタートしてロトルアでフィニッシュする102kmは今年もUltra-Trail World Tourの今シーズン第2戦となります。女子では1月のシリーズ第1戦、HK100で優勝したシャン・フージャオ Xiang Fuzhao(中国)がエントリー。男子ではこの大会で優勝した経験のあるセイジ・カナディ Sage Canaday(アメリカ)と今勢いある28歳、トム・エバンス Tom Evans(イギリス)が優勝候補となりそう。日本からは永田務 Tsutomu Nagata安曇樹香 Konoka Azumiに注目です。

  • ルーシー・バーソロミュー Lucy Bartholomew (オーストラリア):2017年Ultra-Trail Australia 100k優勝、2018年Tarawera 62k優勝、2018年Western States3位。
  • シャン・フージャオ Fuzhao Xiang (中国):2019年UTMF優勝、2020年HK100優勝。
  • アン-マリ・マダン Anne-Marie Madden (カナダ):2019年TNFEC 50 mile Championshipで2位。
  • セシリア・フロリ Cecilia Flori (イタリア):2017年Tarawera 100kで3位。
  • フランチェスカ・カネパ Francesca Canepa (イタリア):2018年UTMB®︎で優勝。
  • フィオナ・ヘイビス Fiona Hayvice (ニュージーランド):Tarawera 100kでは2016年優勝、17年6位、19年4位。
  • 安曇樹香 Azumi Konoka(日本):サロマ湖100kmで2018年、2019年ともに女子総合3位。
  • セイジ・カナディ Sage Canaday (アメリカ):Tarawera 100kmでは2013年、2014年に優勝。2019年Pike Peak Marathonで2位。
  • トム・エバンス Tom Evans (イギリス):2019年CCC®︎優勝、Western Statesで3位。
  • パトリック・レーガン Patrick Reagan(アメリカ):2017、2018、2019年Javelina Jundredで優勝。
  • エリック・センスマン Eric Senseman (アメリカ):2019年Black Canyon 100kで3位。
  • ザック・ビター Zach Bitter (アメリカ):2019年JFK 50で2位。
  • ライアン・バック Ryan Bak (アメリカ):2018年 Mt. Bachelor 50kmで優勝。
  • マシュー・ブランシャール Mathieu Blanchard (フランス):2019年CCC®︎で10位。
  • 永田務 Nagata Tsutomu (日本):2018年Aso Round Trail 108kで2位。

あわせて開催される100マイルのレースでは2017年Western States優勝者のキャト・ブラドレー Cat Bradley(アメリカ)がエントリー。昨年のBadwater 135を大会新記録で優勝の石川佳彦 Ishikawa Yoshihikoは男子の優勝候補。大石由美子 Oishi Yumikoにも注目です。

Sean O’Brien (100k/50m/50k/26m)

アメリカ・カリフォルニア州マリブで開催の100km、50マイルなどのトレイルランニングレース。

EcoTrail Al Ula(83k, 45k, 10k)

Asia_Trail_Master サウジアラビア北西部、アル・ウラー Al Ulaで開催。長らく外国人観光客を受け入れてこなかったサウジアラビアですが、昨年観光ビザの発給が始まったことが話題になりました。そのサウジアラビアで今回初開催のトレイルランニング大会は、フランス・パリの都市型トレイルレースとして有名なEcoTrail de Parisの姉妹大会として今週末に開催されます。Asia Trail Masterのシリーズ戦ともなっています。当サイトでは中の人がこの大会に日本から参加予定で、後日レポートをお届けします。

2月9日日曜日 – 15日土曜日

The Coastal Challenge (230km, 6 stages)

南米コスタリカで開催される6日間のステージレースで、今年は合計230.5km、累積獲得高度9,543mD+。第1から第6ステージにわたってレースが行われます。有力選手としては女子ではケイトリン・ガービン Katlyn Gerbin(アメリカ)、男子ではコディ・リンド Cody Lind(アメリカ)、アンディ・サイモンズ Andy Symonds(イギリス)など。

2月9日日曜日

高隈山ピークハントトレイル(38k, 15k)

大隅半島の高隈山地をコースとし、38km 2,600mD+のピークハントコースと15km 640mD+のミルキーコースの二つのレースが開催されます。

OSJ奄美ジャングルトレイル50K

奄美大島で2009年から開催されるOSJトレイルランニングシリーズの開幕戦。

前週末の主な大会のリザルトと、今週末の国内外のトレイルランニング大会の予定をお伝えしているニュース記事・DC Weeklyへ、皆様からの情報や写真の提供を歓迎します。下のコメント欄もぜひご活用ください。国内、海外の主なトレイルランニング、ウルトラマラソンの大会日程を網羅する当サイトのレースカレンダーにもぜひご利用ください。

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